下の写真を見てほしい。これはどこの企業の様子を撮影したものに見えるだろうか。

グーグル?
残念。答えは1988年のマイクロソフト本社社内の様子だ。
今年創刊25周年を迎える日経パソコンは1988年4月18日号で27ページに及ぶマイクロソフトの戦略研究特集を掲載している。タイトルは「90年代の標準狙う世界一のパソコンソフトハウス」。
それから、20年かけてパソコンの標準OSの座を確固たるものにした今、マイクロソフトの姿は次の展開に苦しむガリバーに変貌した。インターネットという新しい技術に対して、果実を得るための手段を自ら生み出せなかったことが原因であることは誰の目にも明らかだ。
折しも先月末には創業者ビル・ゲイツは常勤から非常勤に代わり、現役を引退した。ノスタルジーからは何も生まれない。新しい葡萄酒は新しい皮袋に。それはその通り。
しかし、今回紹介する20年前のマイクロソフトの姿は、次世代の主役に躍り出たグーグルと重なって見える部分がいくつもある。そこには新しい「何か」を生み出す場に共通するものがあるはずだ。
以下、前述の特集から抜粋を掲載する。なお、引用部分に登場する人物の肩書きは1988年当時のものだ。本特集の執筆は当時日経パソコンに在籍していた林伸夫、松岡資明、中川貴雄、光田一徳、斎藤勉が担当した。