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 8月8日の北京五輪開幕を前に、パソコン向けの外付け地上デジタル放送チューナーが充実してきた。2008年5月の単体チューナー解禁当初は、ノートパソコンでも使えるUSB接続型のチューナーを手掛けるメーカーが少なかったが、ここにきて各社がUSB接続型の新製品を投入。複数チャンネルの同時録画機能やスペックの低いパソコンでの動作サポート、ユーザーインタフェースの工夫など、各社各様の特徴が出始めており、ユーザーの選択肢が広がってきた。

ノートならHDCP対応が不要

 パソコン向けの地デジチューナーは5月に単体販売が解禁され、これまでにアイ・オー・データ機器、エスケイネット、バッファロー、ピクセラの4社が製品化している。しかし、大半はデスクトップパソコン用のPCIもしくはPCI Express(PCIe)接続のボード型。ノートパソコンで使えるUSB接続型はバッファローとエスケイネットの2製品にとどまっていた。地デジをパソコンで視聴するには、デュアルコア以上の十分な性能を持つCPUが不可欠。加えて、グラフィックスボードや液晶ディスプレイがHDCPやCOPPなどの著作権保護技術に対応していないと、映像が映らないおそれがある。こうした制約が十分に認知されていない解禁当初の時点では、比較的上級者向けのPCI/PCIeタイプを先行発売するのが得策との判断があったとみられる。

 一方、地デジの視聴環境を整えるには、デスクトップ機よりノート機の方が便利な点もある。著作権保護技術に関する制約が、ノート機の方が若干緩いのだ。

 デスクトップ機の場合、グラフィックスボードと液晶ディスプレイの双方がDVIまたはHDMIといったデジタル映像端子を備え、かつ著作権保護技術のHDCPに対応している必要がある。これらの条件を満たさない製品は、最悪の場合買い替えなければ地デジを視聴できない。

 一方、ノート機や液晶一体型デスクトップ機の内蔵ディスプレイで視聴する場合、HDCPへの対応は不要だ。これは、CPUと液晶ディスプレイがパソコン内部でつながっているため。そもそもHDCPは、外部出力した映像信号の不正コピーを防ぐ技術である。とはいえノートでも、グラフィックス回路のCOPP対応は不可欠だ。最初からCOPP対応の機種なら問題ないが、COPP対応の最新ドライバーソフトが別途配布されているケースもあるので要注意。こうした問題があることから地デジチューナーのメーカー各社は、機器が使えるかどうかをチェックするソフトをWebサイトで無償配布している。

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