台湾ASUSTeK Computerは、Eeeシリーズの省スペースデスクトップモデル「Eee Box」を、いよいよ日本市場に投入する。この製品は、超低価格ノートパソコン「Eee PC」をベースに開発、省スペース性と静音性を追求したデスクトップパソコンに仕上げてある。

デスクトップではなく“ボックス”タイプのパソコンに
Eee Boxという製品名は、ASUSがこの製品でこだわったコンセプトそのものを示している。Eee Boxの製品企画を担当したポール・チェン氏(Paul Chen、Product Manager, Product Marketing Sec 1, Digital Home System Dept.)は、「社長から『ASUSならではの独創的な製品でなければ開発する意味がない』という課題が与えられた」と振り返る。

開発で最も高いハードルとなったのは、「IntelのAtomプラットフォームは、性能面でノートパソコンとデスクトップパソコンの違いを打ち出しにくい」(チェン氏)ことだった。そこで、Eee PCが使っているノートパソコン用CPUやチップセットを採用することで、「よりコンパクトに、かつ静かなデスクトップ製品を企画した」(同氏)と言う。
その結果、Eee Boxは26.9(幅)×222(奥行き)×178(高さ)mmというコンパクトなきょう体にデスクトップパソコンの機能を集約。さらに消費電力を約20Wに抑え、動作時で26dBA前後(図書館内の騒音レベルが40dBAとされている)という静音性を実現した。
ノートパソコン向けプラットフォームを採用することで、性能面での制約も生じた。ノートパソコン向けチップセットを使ったため、ディスプレイ出力解像度は1600×1200ドットまでとなり、デスクトップ向けCPUのデュアルコア版Atomにも対応していない。しかし「デジタル家電と連携するライフスタイル提案の製品と割り切って開発した」(チェン氏)言う。
超低価格ノートパソコンと性能や価格面で違いを出すことが難しい以上、“デスクトップ”という形状を生かした独創的なものを作る必要がある。その開発結果が、「ディスプレイだけでなくテレビとつないでも楽しめる“ボックス”タイプのパソコン」(チェン氏)だったというわけだ。
