NTTドコモが2006年から販売している「BlackBerry」は、これまで、法人向け販売のみだった。というのは、このBlackBerryは、メールに専用サーバーが必要で、それを運用できるか、NTTドコモの企業向けサービス(ブラックベリーエンタープライズサービス)を契約できる場合にしか利用できなかったからだ。
BlackBerryは、現在では携帯電話の1種だが、もともとは専用サーバーと双方向ページャー(日本でいうポケベルのようなもの)のインフラを使ったメールシステムとして開発された。それが発展していくなかで、現在のように携帯電話のネットワークを利用するようになったのだが、専用サーバーを使うという基本的な構成は変わっていない。
それが、今年8月からは、個人でも契約できる「ブラックベリーインターネットサービス(BIS)」が開始された。今まで、「自分には関係ない製品」と思っていた人でも、個人で、グループで、部署単位ででも導入できるのだ。
そこでこの連載では、これまでBlackBerry活用の「対象外」だった人に向けて、それがどんなもので、どんなサービスがあり、その使い心地はどうなのかを紹介していくことにする。
BlackBerry 8707hの機能を知ろう
現在、国内でNTTドコモのネットワーク向けに販売されているが、「BlackBerry 8707h」だ。BlackBerryは、カナダにあるRIM(Research In Motion)の製品だ。

この端末は、モノバーなどと呼ばれる一枚板のような構造で、正面に液晶ディスプレイとキーボードがある。また、右側面には、トラックホイールと呼ぶダイヤルがある。このキーボードとトラックホイールがBlackBerryの特徴の1つでもあり、初期のマシンからずっと引き継がれているものだ。
トラックホイールは、スクロールや項目の選択に使い、押し込むとメニュー表示や実行を指示できる。通常の携帯電話のカーソルキーに相当するものと考えるといいだろう。また、その下にあるボタンは、キャンセルなどを行う「エスケープキー」だ。何かをキャンセルしたり、1つ前のメニューに戻る場合などには、このキーを使う。

液晶の解像度は、QVGA(320×240ドット)。国内でも、QVGA相当の画面を持つ機種は少なくないが、縦長の配置(つまり横240ドット×縦320ドット)で使われることが多い。しかし、BlackBerryの場合には、液晶は横長となり、その点でメールなどが見やすくなっている。
キーボードは、いわゆるQWERTY配列だが、さすがにパソコンのように多数のキーを配置するわけにもいかないので、シフトキーなどを併用する。

キーボードの左側はテンキーとして使えるようになっている。待ち受け状態では、このキーはテンキーとして動作し、キーを押すと通話アプリケーションが起動する。
キーボードと液晶の間には、通話用のオンフック、オフフックボタンとフロントキーがある。このフロントキーはカスタマイズ可能だが、標準では、入力文字の種類切り替えに割り当ててある。
前述したように、こうしたフルキーボードを備えているのは、BlackBerryがメール活用に特化しているからだ。キートップは小さいが、段差があり、親指の先で、キー1つ1つが分かるようになっている。慣れると、キートップをほとんど見ることなく入力可能だ。
本体左側には、USBコネクター(ミニB、ソケット)と、アプリケーション起動用のカスタマイズ可能なボタンがある。本体上部には、電源キーとミュートキー(日本でいうマナーモード切替)がある。


国産の電話機に比べると、全体的に無骨。デザインも直線や角を強調したような感じで、オシャレな感じはほとんどしない。これは、BlackBerryが企業向けとして販売されているからだろう。