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 2008年10月3日、千葉・幕張メッセで開かれたITエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2008」において、日経パソコンがパネルディスカッション「モバイルコンピューティングが拓く新しい世界」を主催した。2009年以降、急速に整備が進む広域のワイヤレス通信網を見据え、コンピューターのモバイル利用に焦点を当てたイベントである。国内外のパソコン市場において多大な影響力を持つ7人のキーパーソンにさまざまな質問をぶつけ、モバイルの近未来を熱く語ってもらった。

■来年、高速ワイヤレス通信サービスWiMAXが始まります。このメリットは。

インテル吉田氏 大きく3つあります。一つは、WiMAXによって会社と自宅、移動中のすべてで高速なインターネット環境がそろうこと。次に、WiMAXは日本だけでなく世界標準の通信規格であること。最後は、当社が無線技術をシリコンの上に展開することで、将来に向けてワイヤレスのさらなる高速化が期待できることです。

■機器では、5万円前後の安価なミニノートが注目を集めています。

インテル吉田氏 小型で手ごろな価格のノートを「ネットブック」と呼びます。ネットブックは、パソコンの使い勝手そのままにインターネットを楽しめる機器で、モバイルのすそ野を広げる可能性を持っています。ただ、性能は通常のモバイルノートよりも低く、生産性を上げるために使ったり、家でビデオ編集を楽しんだりといった用途には不向きでしょう。

■ウルトラモバイルパソコンやスマートフォンなど、さまざまな機器も登場しています。どんな用途が想定されますか。

ソニー 石田氏 出先でノートパソコンを開いて使うのは、実際には大変な作業です。一方で、携帯電話が進化しても、自分がしたいこと、パソコンならできることが、全部可能になるわけではありません。今後は機器が多様化し、用途に応じて使い分けが進むようになります。

 また、「クラウドコンピューティング」も一般化していきます。これは、内部構造を意識することなく、さまざまな機器でインターネット上のサービスを利用できるものです。究極的には、性能が貧弱な機器でも、インターネットにつながりさえすれば、ネットワーク上のほかの機器のパワーを借りながら、あたかも手元で操作しているような使い勝手が実現でき、いろいろなことが楽しめるようになるでしょう。