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 いま、取材で米国に来ています。BlackBerryも持ってきました。8707hは、NTTドコモのSIMカードが入っていますが、ローミングで、米国でもそのまま使うことができます。米国にもW-CDMAのネットワークはあるようなのですが、見た感じ、ずっとGSM方式(正確には、GSMのパケット通信方式であるGPRS)で接続しているようです。

 来ているのは、カルフォルニア州のロサンゼルスなのですが、接続先は、T-MobileとAT&Tがあります。ドコモは、両方とローミング契約を結んでいるため、どちらかに接続します。

 これは、8707hの設定を自動にしていると電波状態に応じて切り替わりますが、手動設定でどちらか一方に固定することも可能です。

 ドコモのサイトで、ローミング時のデータ通信料金を調べてみると、AT&TとT-Mobileでは、データ通信の料金が違っていました。T-Mobileの場合、料金は、1パケット0.2円の完全な従量制です。しかし、AT&Tでは、0~1万パケットまでは、0.2円/パケットの従量制で、1~12万パケットまでは、2000円の固定額、そして12万パケットを超えた分は、0.2円/パケットに戻ります。このあたりに関しては、ここに記述があります。

 となると、できるだけAT&Tで接続したほうが良さそうです。BlackBerryに限らず、GSMやW-CDMAをサポートする電話機には、接続先ネットワークを選択する機能があります。日本では、契約したネットワーク事業者以外を選択することはまったくありませんが、例えばEU圏では、隣国との行き来が簡単なため、ローミング利用は頻繁に行われています。頻繁に使うのに料金が高いことから、EUでは、ローミング料金の上限などの制限を始めたようです。

 GSM系の携帯電話では、接続先を「Network(ネットワーク)」といいます。ネットワークといっても、無線LANやEthernetのことではありません。8707hも同様で、設定の「ネットワーク」で接続先ネットワーク事業者の選択が可能になります。8707hで気が利いているのは、ネットワークの選択を手動にしていても、ホームネットワークに戻ったときに「自動」に戻す機能があることです。こうすれば、日本に戻ってきたときに接続できないといった問題はないでしょう。ただ、まだ米国にいるので、この機能がちゃんと動くのかどうかは試してないですが…。

「ネットワーク」で接続先ネットワーク事業者を選択できる

 設定を「自動」にしておくと、電波状態のいいネットワークへ自動的に接続します。これを手動にすると、接続可能なネットワークを見つけて、選択肢を表示、ユーザーが接続先を固定することができます。実は、ローミングはかなり複雑で、ドコモがローミング契約している事業者であっても、実際には接続がうまくいかないことがあります。これは、米国の携帯電話ネットワークが、地方別に個別の会社になっていて、それを買収していくことで、米国全体をカバーするようなネットワークになったため、地域によって設備やシステムが違っていたり、あるいは、整備が進んでいないためなどの事情があります。例えば、AT&TのGSM網はここ数年で構築され、基地局数などが、カバーしているエリアに対して少なめと言われています。

 このため、地域によっては、AT&T、T-Mobileともに接続できるものの、T-Mobileでは発着信ができなかった、ということがあります。実際に発信してみないとうまくいくかどうか分からないので、結構面倒です。これま、米国で使った感じでは、AT&Tの方が発着信がうまくいく可能性が高い半面、電波の強度などはT-Mobileの方がいい、という印象があります。実際、自動選択にしておくとT-Mobileに接続していることのほうが多かったようです。どうもロサンゼルスの市内ではAT&Tの電波が弱く、ときどき切断するため、そのときにT-Mobileの電波を捕まえてしまうようです。