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 HDDの容量が現在のように高密度化した背景には、いくつかの技術革新があった。まず、ヘッドとディスクが一体化され、密閉容器に格納した「ウインチェスター型ドライブ」が開発された。ヘッドは薄膜形成によって小型化され、リードヘッドは1990年代に登場したMRヘッドによって、高密度化が加速した。HDD本体の大きさも小さくなり、1980年代からPCへの搭載が進んだ。

 前号に引き続いて、磁気ディスクが巨大なドラム式だった1950年代から、現在の形に進化を遂げた歴史を振り返ってみよう。

 1970年代に入ると、ディスクメディアとリード/ライトヘッドを一体化し、信頼性の向上と小型化が可能な機構が採用された。現在のHDDと同じ機構で、IBMでの開発コード名である「ウインチェスター型ドライブ」がそのまま一般名詞になっている(図1)。ディスクメディアの交換はできないが、密閉容器に納められるので、外部からの塵の進入を防止し、HDDの大容量化と信頼性の向上を果たすこととなった。

●ウインチェスター型ドライブ
図1 IBMの「3340 disk unit」。1970年代後半になって、ディスクメディアとリード/ライトヘッドを一体化し、密閉容器に納めるタイプの製品が現れた。現在のHDDと基本的な構造はほとんど同じだ。
図1 IBMの「3340 disk unit」。1970年代後半になって、ディスクメディアとリード/ライトヘッドを一体化し、密閉容器に納めるタイプの製品が現れた。現在のHDDと基本的な構造はほとんど同じだ。

 さらなる大容量化の要望を満たすために、ヘッドを動かすサーボ技術も改良された。従来は、複数のディスクメディアのうち、特定の一面をサーボ専用の面として占有する「サーボ面サーボ方式(Dedicated Servo)」だったが、各ディスクメディアすべての面にサーボ情報を飛び飛びで埋め込む方法が開発された。これは「セクターサーボ方式(Sector Servo)」、あるいは「埋め込みサーボ方式(Embedded Servo)」と呼ばれた。