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 現在主流となりつつある無線LAN規格がIEEE 802.11n(以下11n)。IEEE(米国電気電子技術者協会)による正式規格化前でありながら、多くのメーカーがドラフト(草案)2.0に準拠した製品を2007年から発売している。

 11nのデータ伝送速度は最大300Mbpsというのがこれまでの常識。ところが最近、速度を150Mbpsにして低価格化を図ったチップや、2つの帯域を同時に使って600Mbpsの速度を実現するチップセットが発表された。300Mbpsの11nがようやく定着してきた無線LANだが、今後はその 11nの中でも速度の異なる製品が登場し、ユーザーを悩ませることになりそうだ。

 まず、2008年11月6日にアセロス・コミュニケーションズが発表したのが「Align(アライン)」と呼ぶチップ。理論値の最大データ伝送速度は、従来の11nの半分となる150Mbpsだ。

MIMO非使用で低価格化

 11n対応のチップは、データを複数の固まり(ストリーム)に分けて送信する「MIMO」や、20MHzの帯域幅を持つチャンネルを2つ束ねて 40MHzの帯域幅で利用する「チャンネルボンディング」といった技術を搭載している。これらの高速化技術により、理論上は最大300Mbpsで通信が可能だ。

 新たに登場したAlignは、チャンネルボンディングやその他の11nの技術は使うが、MIMOを利用しない。既に発売されているNECアクセステクニカの無線LANルーター「AtermWR4500N」で測定したところ、実効伝送速度は同社がこれまで11n対応とうたってきた「同WR8500N」の約 7割だった(図1)。

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 その分、Align搭載製品は11n対応モデルより格段に安い。例えば、WR4500Nは8000円前後。WR8500Nよりも9000円安い。速度は7割で、価格が半分以下ならば、ユーザーにとってメリットは大きい。

 一方、同じ11nの技術を利用し、さらなる高速化を目指す動きも出てきている。11月20日に米クアンテナ・コミュニケーションズが発表したチップセット「QHS1000」だ。5GHz帯の「QHS600」と、2.4GHz帯の「QHS450」のセットである。

 QHS1000は、5GHz帯と2.4GHz帯を合わせて2チャンネル、もしくは各2チャンネルの計4チャンネルを使用し、最大600Mbpsを実現する(図2)。搭載製品は2009年夏ごろにも登場する見通し。速度を重視するユーザーには魅力ある製品となりそうだ。

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