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 ハイブリッドHDDは、磁気ディスクのほかにフラッシュメモリーを内蔵する。ハイブリッドHDD専用のコマンドやドライバーが開発され、よく使うデータなどを指定して、フラッシュメモリーに保存できる。フラッシュメモリーは磁気ディスクよりも高速、省電力で読み書きでき、ノートPCのバッテリー駆動時間を延長できる。

 最近耳にする「ハイブリッドカー」は、エンジンとモーターの両方で駆動し、これらを使い分けて燃費を向上させたり、動力性能を向上させたりする。2007年に登場したハイブリッドHDDは、磁気ディスクのほかに、フラッシュメモリーにもデータが保存できる。これらを使い分けて、HDD全体の消費電力を低減したり、OSの起動を早められる。ノートPCに組み込めば、バッテリー駆動時間も従来より延びる。

 従来からHDDには、8Mバイト、16Mバイトといった容量のキャッシュメモリーが搭載されていた。データの書き込みの時にはホストPCから送られてくるデータをいったん受け取る役割がある。逆にデータの読み出し時は、磁気ディスクのデータにアクセスする前に、キャッシュメモリー内部に該当するデータがないかを必ず探しに行く。

 このキャッシュバッファーは、ホストPCとのデータ転送に耐えうるだけの十分な読み書き速度が必要で、通常はDRAMが使われている。DRAMはドライブの電源を切ってしまうとデータが消えてしまう。

フラッシュメモリーはキャッシュメモリーと何が違う?

 ハイブリッドHDDでは、このキャッシュバッファーとは別に、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)を搭載した。携帯用MP3プレーヤーやUSBメモリーでも使われている。Seagate TechnologyのハイブリッドHDD「Momentus 5400 PSD」は、8MBのキャッシュバッファーに加え、256MBのフラッシュメモリーを搭載した(図1)。

●Seagate TechnologyのハイブリッドHDD「Momentus 5400 PSD」
図1 「Momentus 5400 PSD」は、2.5インチのハイブリッドHDD。256MBの不揮発性メモリーを内蔵している。容量は最大160GB、キャッシュメモリー容量は8MB。回転速度は5400回転/分。インターフェースは、Serial ATA。
図1 「Momentus 5400 PSD」は、2.5インチのハイブリッドHDD。256MBの不揮発性メモリーを内蔵している。容量は最大160GB、キャッシュメモリー容量は8MB。回転速度は5400回転/分。インターフェースは、Serial ATA。

 このフラッシュメモリーにあるデータは、磁気ディスクを回転させたり、ヘッドを動かしたりすることなく、データを読み書きできる(図2)。つまり、フラッシュメモリーによく使うデータを保存しておけば、HDDの消費電力が少なくなる、というわけだ。

図2 従来のHDDは、磁気ディスクと電源を切ると消えてしまうキャッシュメモリー用のDRAMで構成していた。ハイブリッドHDDは、電源を切ってもデータを保持できる大容量の不揮発性メモリーを追加した。
図2 従来のHDDは、磁気ディスクと電源を切ると消えてしまうキャッシュメモリー用のDRAMで構成していた。ハイブリッドHDDは、電源を切ってもデータを保持できる大容量の不揮発性メモリーを追加した。
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