PR

 今回は、BlackBerryの仕組みについて解説しましょう。BlackBerryは、携帯電話の1種ではありますが、通常の携帯電話とは、違っている部分があります。それは、「BlackBerry Internet Service(BIS)」または、「BlackBerry Enterprise Service(BES)」が必要な点です。

 通常の携帯電話のモバイルWebサービス(たとえばiモード)などは、基本的には、対応した携帯電話を使い、携帯電話ネットワーク(たとえばNTT DoCoMo)と契約すれば、それだけで利用が可能です。これは、携帯電話ネットワーク内にサーバーがあり、携帯電話ネットワーク事業者が直接サービスを行っているからです。

 これに対して、BlackBerryは、携帯電話ネットワークを介して、リサーチ・イン・モーション(RIM)がサービスを行っており、それがBISとBESなのです。BlackBerry特有の機能は、すべて、このBIS/BESのサーバーを介して行われます。

BlackBerryは、携帯電話ネットワークを介してBIS/BESのサーバーに接続している。BlackBerry固有の機能は、このBIS/BES側で行う。BESの場合、企業が設置したBlackBerry Enterpriseサーバーと接続し、企業内のExchangeサーバーの機能を利用することができるようになっている

 BlackBerryの端末には、PIN(Personal Identification Number)と呼ばれる番号が組み込まれています。このPINは、BIS/BESで端末を個々に区別するための番号です。たとえば、BISを契約していて、端末を切り替えた場合には、このPINをBIS/BESに登録します。PINは、BlackBerryでは、端末に直接メッセージを送信する場合などにも利用されています。

 このPINを使って、BIS/BESは、特定の端末と契約者の情報を結び付け、メールなどの通知を行います。このような仕組みになっているため、端末のSIMカードを入れ替えても、同じBIS/BESのサービスが利用できます。これは、BIS/BES側では、携帯電話の契約者を区別していないからです。

 なお、通常の携帯電話にも、端末を個々に区別する番号が付いています。GSMやW-CDMAなどでは、IMEI(International Mobile Equipment Identity)という番号があります。BIS/BESのサービスでは、このIMEIも同時に登録します。

 BISを使う場合、BlackBerry端末は、NTTドコモのネットワークを通って、BISのサーバーに接続します。Webサーバーやインターネットメールサーバーへは、このBISのサーバーがアクセスを行います。

 たとえばメールの場合、BISのサーバーがメールをチェックし、新規メールがあれば、これを端末に通知します。実際には、このときメールの先頭2キロバイトを転送します。ユーザーがメールを開いて、2キロバイト以上の部分を表示させようとすると、BISのサーバーにリクエストが送られ、次の2キロバイトの転送が行われます。

 このように、BlackBerryの各種の機能は、BIS/BESのサーバーと連携して機能を実現しています。BlackBerryの端末は、主に表示を担当し、主要な機能はサーバー側が行っているのです。

 このため、メールに文書ファイルなどが添付されていても、これを解釈して展開するのはサーバー側であるため、大きなファイルでも、問題なく表示できるのです。

 BISとBESの違いは、利用者がBlackBerry Enterpriseサーバーを設置する必要があるかどうかです。BESの場合、契約者は、自身のネットワークにBlackBerry Enterpriseサーバーを設置し、インターネット経由でBESのサーバーと接続します。端末からのリクエストは、暗号化され、BES経由でこのBlackBerry Enterpriseサーバーに送られます。暗号の解読は、このBlackBerry Enterpriseサーバーで行われるため、途中の経路で通信内容を傍受することはできません。また、Exchangeなどの機能を利用する場合には、このBlackBerry Enterpriseサーバーと接続します。

 BESを利用しているBlackBerry端末がインターネットアクセス(Webサイトの閲覧など)を行う場合、このBlackBerry Enterpriseサーバーから行います。このようにすることで、企業内のLANにいるのと同じ環境でインターネットアクセスができるわけです。

 BISの場合、インターネット側のアクセス(Webサイトやメールサーバー)は、BISのサーバーが行い、これを処理して端末に送ります。

 つまり、BlackBerry Enterpriseサーバーを自前で設置するのがBESで、BISはBlackBerry Enterpriseサーバーとほとんど同じ機能をRIMが提供しているわけです。