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USB 2.0と互換性がある新規格

 外付けハードディスク(HDD)やプリンターをはじめ、多くのパソコン周辺機器で利用されているUSB。その次世代版「USB 3.0」の仕様が昨年11月に公開された。これにより、何が変わるのか。

 USB 3.0の最大の特徴は転送スピードの速さにある。最高転送速度は毎秒5ギガビット(Gbps)。現行のUSB 2.0と比べると、なんと10倍以上の速さでデータをやり取りできるようになる(図1)。例えば、USBメモリーに保存した1GBのファイルをパソコンにコピーする時間が、理論的には17秒から、たった1.6秒に短縮されるわけだ。ハイビジョン画質で録画した2時間分の動画も、40秒程度で転送できる[注1]。

図1 USBが登場した当初の転送速度は12Mbpsだった。今年後半に登場する3.0は5Gbps。2.0の10倍以上の速度となる。高画質の動画ファイルの転送などで力を発揮しそうだ
図1 USBが登場した当初の転送速度は12Mbpsだった。今年後半に登場する3.0は5Gbps。2.0の10倍以上の速度となる。高画質の動画ファイルの転送などで力を発揮しそうだ

 USB 3.0の速さの秘密は、端子にある。USB 2.0の端子とは別に新たに5本の信号線を加えた形状をしている(図2)。

図2 USB 2.0にはデータ送受信用の信号線が2本しかないが、3.0には送信用と受信用に2本ずつあり、データを高速にやり取りできる。3.0は2.0用の信号線も備えており、互換性がある
図2 USB 2.0にはデータ送受信用の信号線が2本しかないが、3.0には送信用と受信用に2本ずつあり、データを高速にやり取りできる。3.0は2.0用の信号線も備えており、互換性がある

 従来のUSB 2.0では、データを送受信するための信号線は2本しかなく、これを一定間隔で送信・受信と切り替えながら、データをやり取りしていた。一方、USB 3.0には送信用と受信用にそれぞれ専用の信号線が2本ずつ用意されており、合計4本もある。

 これに伴って、プロトコル(通信手順)も改良された。2.0では、送信と受信の信号線が同じなので、データのやり取りをパソコン側で制御しなければならない。そのため、パソコンから周辺機器に対して、定期的に「ポーリング」と呼ばれるパケットデータを送っていた。その点、3.0ではポーリングが不要なので、無駄なデータのやり取りが減る。これも、転送速度の向上に役立っている。

 気になるのは、USB 2.0との互換性だが、心配は無用だ。USB 3.0の端子には、2.0用の信号線も組み込まれているため、USB 2.0対応機器のポートに3.0の端子を挿入しても、これまで通り使える。ただし、その場合の転送速度は2.0のときのままだ。

 USBは、これまで外付けHDDやプリンターなどで使われていた。しかし3.0からは速度を生かして、ハイビジョンのDVカメラや外付けSSD[注2]などに搭載されるようになるだろう。

 USB 3.0対応のパソコンが登場する時期は「2009年後半以降」(NECエレクトロニクス)。ほぼ同じタイミングで、速さをウリにした魅力的な周辺機器も、続々と発売されそうだ。

[注1]2時間のハイビジョン映像のファイルサイズを25GBとして計算した

[注2]SSDとは、HDDの代わりに利用できるフラッシュメモリーのこと。データの読み書き速度が速いのが特徴