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AtomではVistaを快適に動かせない

 経済不況をものともせず、相変わらず好調を維持しているネットブック。これまで、ほとんどの機種がOSにXPを搭載していたが、2008年後半からは、Vistaを採用したものが登場し始めている。

 代表的な例が、昨年の10月末に発売した、デルの「Inspiron Mini 12」(図1)。12.1型ワイドの大型液晶を搭載するネットブックだ。画面も見やすいうえ、キーボードも大きくて打ちやすい。

図1 「Inspiron Mini 12」はCPUにAtomを搭載、メモリーは一GB[注3]。Vistaの動作には多少不満が残るが、XPなら軽快だ。価格も6万円台とお買い得
図1 「Inspiron Mini 12」はCPUにAtomを搭載、メモリーは一GB[注3]。Vistaの動作には多少不満が残るが、XPなら軽快だ。価格も6万円台とお買い得
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 また、この1月、ソニーは満を持して“ポケットスタイルPC”と銘打ったミニノート「VAIO type P」を発売。大きさは文庫本の1.5倍ほどで、重量はわずか634gという超軽量ノートだ。小型サイズながら、キーボードのキーピッチは16.5ミリと十分。小型・軽量と入力しやすさを兼ね備えた製品だ。

 しかし、両製品には共通した“泣き所”がある。動作が重いのだ。実際に使ってみたが、XP搭載のネットブックに比べると、ワンセグを視聴・録画したり、動画サイトを閲覧する際にコマ落ちするなど、明らかに差があった。

 重さの原因は、CPUにネットブック向けの「Atom」を採用していること。Atomはより小型で消費電力を抑えられる反面、処理性能は最新のデュアルコアCPUには大きく劣る。しかし、ネットブックに処理性能の高いCPU「Core 2 Duo」などを搭載すると、価格も一気に上がるうえに、製品の小型化にも支障が出てくる。ネットブックに“重いVista”を搭載したことで、Atomの弱点が露呈した格好だ。

 これにはメーカーも対策を講じている。デルは昨年12月に「Inspiron Mini 12」のXP搭載モデルを発売。やはり、Vistaに比べると動作はスムーズだ。また、ソニーは「type P」のスペックを自由に選べる直販モデルを同時発売。ここでは、高速版AtomのCPUを選択可能だ。この機種でVistaを快適に使うには、直販モデルが断然おススメだ[注1]。

 やはり、低価格・小型がウリのネットブックにVistaを搭載するのは、無理があるようだ。ネットブックにはXPしか選択肢がないのが実状だろう(図2)。

 XPパソコンの販売が次々に打ち切られる中、ネットブックへのXP搭載はしばらく続けられる[注2]。こうした状況も追い風となり、2009年も引き続き、XPのネットブックに人気が集まりそうだ。

図2 2008年6月末でメーカー製のXPパソコンの出荷は終了した。しかし、ネットブックの人気に押され、XPのシェアは急上昇。寿命を終えるはずだったXPが再び息を吹き返した格好だ
図2 2008年6月末でメーカー製のXPパソコンの出荷は終了した。しかし、ネットブックの人気に押され、XPのシェアは急上昇。寿命を終えるはずだったXPが再び息を吹き返した格好だ

[注1]直販モデルのお薦め構成については、「買うか買わぬか思案中」で解説している

[注2]ネットブックへのXP提供期限は、2010年6月30日、または次期OS「Windows 7」出荷から1年後のいずれかという

[注3]図1は「プラチナパッケージ」の構成例。直販サイトではOS、CPU、HDD容量などを自由に選択できる