起動時間はVistaの2割減!
「Windows 7」はVistaよりはるかに快適─。
1月に公開された発売前の評価版(β版)を日経PC21編集部で実際に試した結果、Windows 7はVistaに比べて動作が軽快で、操作性も多くの場所で改善されていることがわかった。
Windows 7の見た目は、Vistaとほとんど変わっていない(図1)。OSの中核部分である「カーネル」も、Vistaと同じものを採用している。つまり、Windows 7は、Vistaの改良版という位置付けのOSなのだ。
しかし、実際に使ってみると、さまざまな点が強化されていることに驚く。何より動作が軽いのが嬉しい。実際に、同じパソコンで起動時間を比較したところ、Vistaに比べて2割程度速くなった(図2)。メニューを開いたり、クリックしたときの反応もキビキビしている。

操作性も確実にVistaから進化している。最も大きく変わったのは、デスクトップ下にある「タスクバー」だ。Windows 7では、タスクバーと「クイック起動」バーが一体化した。ソフトをタスクバーにドラグするとアイコンが登録され、クリックするだけですぐに起動できるようになる。
同じソフトで複数のウインドウを開いた場合は、アイコンが重なって表示され、ここにマウスのポインターを持っていくと、各ウインドウの内容が並んでサムネイル表示される。
このほか、付属のソフト「ペイント」や「ワードパッド」のメニューに、Office 2007と同じ操作方式の「リボン」を採用するなど、細かな改良も多く加えられた。
また、Vistaの「UAC(ユーザーアカウント制御)」が改善された点も評価できる(図3)。Vistaではちょっとした設定変更のたびに通知画面が表示され、とても煩わしかった。これがWindows 7では、確認の頻度を4段階から指定できるように変更された。例えば、Windowsの設定を変更する場合には、通知を出さないようにできる[注1]。

Windows 7は、2010年の1月前後の発売と予想されている。今回試したのはβ版だが完成度は非常に高く、発売を大幅に延期することはないだろう。
今、XPを使っているユーザーなら、慌ててVistaに移行する必要はない。「当面XPを使い続け、Vistaを飛ばして一気にWindows 7に移行する」のが最良の方法になりそうだ。
[注1]Vistaでも、UACの通知を完全にオフにすることはできた
[注2]Windows 7の最上位版である「Windows7 アルティメット」のβ版を使用