高品質なアルミ製パソコンケースのメーカーとして知られる台湾Lian Li Industrialは、ドライブベイや拡張スロットに新設計のツールフリーデザインを施すなど、使い勝手を向上させたアルミケースをラインアップに追加する。さらに、これらの設計思想を継承しつつ、ケース素材にSECCスチール(電気亜鉛メッキ鋼板)を採用して低価格にした「Lancool」ブランドを立ち上げ、シェア拡大を図るという。
3月、ドイツで開催された展示会たCeBIT 2009にてフラッグシップモデルの「PC-888」を公開。ドバイの7つ星ホテル「Burj Al Arab(ブルジ・アル・アラブ)」をモチーフにしたハンドクラフトのフルタワーケースで、既に受注生産を開始している。
この製品は、ヨットの帆をイメージさせるデザインが最大の特徴。ケース内部を3層構造にし、マザーボードの上面にHDDを搭載することで効率的なエアフローを実現するなど、機能面でも工夫してある。フロントにはブルーLEDを搭載した2基の14cmファンを備え、ハイエンドのグラフィックスボードを搭載しても、その発熱を背面に逃がせるようにしたという。ケース各所にケーブルホルダーを装備して、電源ケーブルやHDDケーブルがエアフローを妨げないようにしてある。
「ツールフリー」のデザインも、今年は積極的に取り入れるという。防振対策も兼ねたラバーリングを装着する専用HDDケージを利用して、ドライバーなどの道具を使わなくてもHDDが装着できるドライブベイを採用。5.25インチベイにもねじを使わないマウントモジュールを搭載しており、光学ドライブを簡単に装備できるようにした。拡張ベイのブラケットもねじを使わないデザインにして、より手軽にパソコンを自作できるよう工夫したという。