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 スマートフォンや、iPadのようなフォトフレーム型端末などが次々と登場し、注目を集めている。携帯電話とパソコンが融合した、こうした新しい機器を利用する上で、通信の使い勝手を大きく左右する政策が年内にも実行されようとしている。原口一博総務大臣と内藤正光総務副大臣が中心となって推進している「携帯電話のSIMロック解除」である。

 SIMロックとは、携帯電話に別の携帯電話事業者が発行したSIMカードを挿入しても利用できないようにする仕組みのこと。SIMロックが解除されれば、事業者選択の自由度が高まり、MNP(番号ポータビリティー)で事業者を変更した後も同じ端末が使えるなどのメリットがある。

 「後に市場を大きく変えたと言われるように、自信を持って取り組む」。内藤副大臣は、4月2日に総務省で開催した事業者ヒアリング(図1)でSIMロック解除に向けた意気込みを述べた。

●総務省でヒアリングを開催
図1 総務省は、4月2日にSIMロックの在り方に関する公開ヒアリングを開催した。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなど通信事業者や業界団体の代表者がSIMロックに関する意見を述べた
図1 総務省は、4月2日にSIMロックの在り方に関する公開ヒアリングを開催した。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなど通信事業者や業界団体の代表者がSIMロックに関する意見を述べた

 ヒアリングでは一部の携帯電話事業者からSIMロック解除に反対する意見が出たが、「政務三役で最終的な判断をする」(内藤副大臣)と2010年内にSIMロック解除を断行する姿勢を見せた。

 SIMロック解除を急ぐ理由は「SIMロック解除については2007年9月のモバイルビジネス研究会の報告書で2010年に法制化の結論を得るとされている」(内藤副大臣)ため。モバイルビジネス研究会とは専門家による検討チームのことで、携帯電話市場の活性化を目指して2007年まで活動した。その報告書に2010年にSIMロック解除との記載がある。

携帯電話の値段が上がる

 ヒアリングで携帯電話事業者が述べた見解は、SIMロック解除に全面賛成、というものではなかった。特に強硬に反対したのはソフトバンクモバイルである。

 SIMロック解除によって、ユーザーが自由に事業者を変更できるようになれば、事業者にとってはユーザーの利用期間が短くなる可能性がある。そうなると、継続利用を想定して端末料金を2年間の分割払いにするという同社の販売手法が取りづらくなると説明。「端末を安く購入したいというユーザーの選択肢を減らす」(松本徹三副社長)と主張した。