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 2001年10月に発売されて以来、約9年間にわたり販売が続いてきたWindows XP(以下、XP)のプリインストールパソコンが、2010年10月22日に出荷終了となる。残り2カ月を切り、パソコンメーカーもWebサイトなどで告知を開始した(図1)。XPを搭載したパソコンを新規に購入したいユーザーは、急ぐ必要がある。

●提供終了を案内するメーカーも
図1 WebサイトでXPパソコンの提供終了を案内するパソコンメーカーも現れ始めた。図はエプソンダイレクトの直販サイト
図1 WebサイトでXPパソコンの提供終了を案内するパソコンメーカーも現れ始めた。図はエプソンダイレクトの直販サイト

 とはいうものの、正確な意味での「XPプリインストールパソコン」は、実は既に2008年6月で出荷が終了している。現在販売されているXPプリインストールパソコンは、Windows 7のプリインストールパソコンに付帯する「ダウングレード権」を利用した製品。「XPダウングレードモデル」などと呼ばれる。

現状はダウングレード販売

 ダウングレード権とは、最新OSを利用するユーザーに対して与えられる、旧バージョンのOSを利用する権利のこと。パソコンにプリインストールされる OEM版や、パーツとセット販売されるDSP版では、Professional以上のエディションにダウングレード権が付帯し、Windows Vista(以下、Vista)とXPの同等エディションにダウングレードできる。企業向けに提供されるボリュームライセンス版でも Professional以上のエディションにダウングレード権が付帯し、こちらはWindows 95までさかのぼってダウングレードできる。

 こうしたダウングレード権を利用してメーカーが販売しているのが、XPダウングレードモデルだ。本来はWindows 7のプリインストールパソコンなのだが、XPへのダウングレード作業をメーカーが代わりに行って、XPをプリインストールした状態でパソコンを出荷する(図2)。「XPダウングレードサービス」などと称して提供するメーカーもある。

●「XPダウングレードモデル」とは?
図2 マイクロソフトでは、Windows 7 Professional以上をプリインストールしたパソコンを、過去のOSであるVistaやXPにダウングレードして利用することを認めている。このダウングレード作業をメーカーが代行する形で、XPをプリインストールしたパソコンが現在でも販売されている
図2 マイクロソフトでは、Windows 7 Professional以上をプリインストールしたパソコンを、過去のOSであるVistaやXPにダウングレードして利用することを認めている。このダウングレード作業をメーカーが代行する形で、XPをプリインストールしたパソコンが現在でも販売されている
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 ユーザーが自分でXPへとダウングレードする場合、XPを入れるための正規インストールメディア(パッケージ版やボリュームライセンス版のDVDなど)が必要となる。また、そのパソコンに適したXP用の各種ドライバーソフトを入手しなければならないなど、一筋縄ではいかない。一方、メーカーが事前にダウングレードした状態で販売してくれれば、手間なく安心してXPを利用できる。しかも、将来Windows 7を利用したくなったら、いつでもWindows 7へとアップグレードできるので一石二鳥だ。

 とりわけ企業においては、いまだにXPを使い続けている例が多い。本誌が電子情報技術産業協会(JEITA)の協力で実施した「企業の情報化実態に関する調査2010」によると、回答企業2195社のうち、2010年3月末時点でOSとしてXPを最も多く利用していたという企業は94.2%に上った。中には、「基幹システムがXPでしか動作を保障されないので、Windows 7に移行できない」(サービス業)、「Windows 7へのシステム移行予算が取れず、XP端末の入手が困難になってくるのが心配」(製造業)といった声もあり、新規にパソコンを購入する際も、XPダウングレードモデルを選択するケースが少なくないようだ。NECでは、企業向けのパソコン出荷全体に占めるXPダウングレードモデルの割合が7~8割に及び、富士通でも6割程度という。