マイクロソフトのWebブラウザーである「Internet Explorer(IE)」の次期バージョン「IE9」のベータ版(開発中の評価版)が、米国時間の9月15日に一般公開された。IE9における主な改良ポイントは、(1)ユーザーインタフェース(UI)の改良(2)処理の高速化(3)セキュリティの向上(4)標準規格への対応─に分けられる。
まずは(1)UIの改良だ。IE8までは、画面の最上部に2段にわたってボタンやタブなどを配置していたが、IE9はこれらを大幅に減らし、1段に配置した(図1)。Webページを少しでも広く表示できるよう、ブラウザー側の専有面積を減らしたわけだ。検索バーは「利用頻度が低かった」という理由で廃止し、アドレスバーに統合。ボタンは「ホーム」「お気に入り」「設定」の3つだけとなり、「印刷」などは「設定」ボタンで開くメニューの中に収容された。最下部のステータスバーもなくなったが、ハイパーリンクにマウスポインターを合わせたり、ファイルをダウンロードしたりすると、URLや警告などが最下部にポップアップ表示される。
タスクバーにお気に入り
Windows 7上では、タブをドラッグしてタスクバーにドロップすると、タスクバー上に「お気に入り」を置くことができる(図2)。「WindowsのアプリケーションソフトかWebサイトか、といった違いをユーザーが意識することなく、よく使うWebサイトに簡単に接続できる」(マイクロソフト コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部 コンシューマーWindows本部 シニアプロダクトマネージャーの溝口宗太郎氏)。
検索バーを統合したアドレスバーは、URLと検索サイトの検索結果を並べて表示する仕組み。1文字入力するたびに候補を絞り込んでいく、いわゆるインクリメンタル検索方式となっている(図3)。検索結果を表示するポップアップウインドウの最下部には検索サイトの切り替えボタンがあり、Yahoo!や Googleのほか、Wikipediaでの辞書検索やAmazon.co.jpでの書籍検索などを利用可能だ。