パソコンで気軽に映画をレンタルできる時代がやって来た。アップルが2010年11月11日、音楽配信サービス「iTunes Store」を通じて映画タイトルのダウンロード提供を開始。現時点で、約1000本の映画タイトルをそろえる。特徴は、1000円からの販売メニューだけでなく、レンタルメニューも用意したこと。時間制限がある代わりに、料金は1タイトル200円からと安い。ダウンロード完了後、データを保持できるのは30日間。その間に再生を始めると、48時間後に消去される。
ビデオレンタル店と違って便利なところは、わざわざ店頭に出かけずに、自宅に居ながら24時間いつでも借りられる点。貸し出し中でがっかりすることもない。もちろん返却の手間も不要だ。48時間以内なら、何回でも見られる。
iTunes Storeで映画を買ったり借りたりするには、音楽同様、WindowsパソコンやMacにインストールした音楽管理ソフト「iTunes」を使う(図1)。見たい映画を探し、画面左側に用意された「映画を購入」または「映画をレンタル」ボタンを押せばよい。これでデータのダウンロードが始まる(図2)。料金は、あらかじめ登録してあるクレジットカードなどで決済される。ダウンロードが終われば、いつでも視聴を始められる。

実際に試して感じたのは、ビデオレンタル店とはひと味違った楽しさがタイトル選びにあることだ。まず、すべてのタイトルで1~3分程度の予告映像(作品の抜粋の場合もある)が見られる。パッケージだけでは内容が分かりづらい作品を、“ちら見”できるのはありがたい。次々と予告映像を見ているだけでも楽しく、ビデオレンタル店では味わったことがない新鮮な体験だった。
思わぬ作品との出会いも、デジタルの力でアレンジしてくれる。出演者やスタッフの名前をクリックすると、その人が出演した作品などをピックアップした画面に切り替わる。店頭の陳列棚を眺めていると思いがけない作品に巡り会うことは多いが、iTunes Storeでも「あの監督ってこんな作品も撮っていたんだ」といった気付きが得られるのはうれしい。