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 携帯機器に電源ケーブルをつなぐことなく、専用の充電台に置くだけで充電できるワイヤレス給電システム「Qi」(チー)の対応機器が着々と増えている。充電台や外付けバッテリーに加え、Qi準拠のスマートフォンも第1号の製品が市販された。そこで複数のQi対応機器を用意し、使い勝手を試した。

 Qiが採用するワイヤレス給電方式は「電磁誘導方式」と呼ばれる。電気の送り側と受け側の機器にそれぞれコイルを内蔵し、双方のコイルの間に磁気を発生させることで送電する。

喫茶店や空港にも充電台

 ワイヤレス給電において、共通規格の策定を目的にした業界団体の Wireless Power Consortium(WPC)が2008年12月に設立され、2011年8月末時点での会員企業は93社。海外勢では携帯電話機の世界シェア上位企業などが名を連ねるほか、日本からもNEC、三洋電機、パナソニックなどが参加しており、WPCが策定するQiが事実上の業界標準となる見込みだ。

 WPCは2010年9月に最初の共通規格であるQi 1.0を公開。これに準拠した製品が、2011年4月以降、日本で次々と発売された(図1、図2)。NTTドコモは8月6日に世界初のQi対応スマートフォン「AQUOS PHONE f SH-13C」を発売した。さらにQiを「おくだけ充電」と名付け、9月1日から順次、喫茶店のプロントやTOHOシネマズの店内、全日本空輸(ANA)の空港ラウンジなどにQi準拠の充電台を置いている。

●Qi対応機器が相次ぎ登場
図1 ワイヤレス給電規格「Qi」(チー)に準拠した携帯機器と充電台のラインアップが増加してきた。日立マクセルが発売したiPhone 4の充電器に続き、パナソニックはUSB端子経由でスマートフォンなどを充電できる携帯型の外付けバッテリーなどを投入。NTTドコモは、世界初のQi対応スマートフォンを製品化している
図1 ワイヤレス給電規格「Qi」(チー)に準拠した携帯機器と充電台のラインアップが増加してきた。日立マクセルが発売したiPhone 4の充電器に続き、パナソニックはUSB端子経由でスマートフォンなどを充電できる携帯型の外付けバッテリーなどを投入。NTTドコモは、世界初のQi対応スマートフォンを製品化している
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●主なQi対応の充電台と、Qiで充電可能な携帯機器
図2
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 ユーザーにとってのQiのメリットとデメリットをまとめたものが図3だ。ケーブルをつながずに済み、機器とACアダプターの組み合わせを気にする必要もない手軽さ、そして外出先で充電できる環境が整う可能性は魅力的である。一方で、現時点ではQi準拠の製品が出始めたばかりで、まだラインアップが少なく、製品価格も高めなのが難点だ。

●Qiのメリットとデメリット
図3 Qiの最大の利点は、端子をつながずに充電できる手軽さ。標準化も済んでいるので、幅広いメーカーの製品がQi準拠になることも普及の弾みとなる。一方で、現状ではまだ対応製品が少なく高価である
図3 Qiの最大の利点は、端子をつながずに充電できる手軽さ。標準化も済んでいるので、幅広いメーカーの製品がQi準拠になることも普及の弾みとなる。一方で、現状ではまだ対応製品が少なく高価である
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