PR

斬新な操作性も魅力、課題は対応アプリの拡充

 8月末、アップルの「iPhone」か、グーグルの「Android」かの二者択一だったスマートフォン市場に、新しいOSを搭載した端末が加わった。マイクロソフトの「Windows Phone 7.5」を採用したKDDI(au)の「IS12T」だ(図1)。

図1 8月に登場したWindows Phone「IS12T」(左図)。ほかのスマートフォンとは操作性が異なり、「タイル」と呼ばれるボタンを押して機能を呼び出す。ExcelやWordの文書を編集することもできる(右図)
図1 8月に登場したWindows Phone「IS12T」(左図)。ほかのスマートフォンとは操作性が異なり、「タイル」と呼ばれるボタンを押して機能を呼び出す。ExcelやWordの文書を編集することもできる(右図)
[画像のクリックで拡大表示]

 7.5は、昨年10月から欧米などで順次発売された「Windows Phone 7」の最新版で、世界に先駆けて日本で発売された。「Windows」を名乗ってはいるが、XPや7とは別のOSで、ソフトも互換性はない[注1]。

 最大の特徴は、ExcelやWordなどのOffice文書を編集できること。ほかのスマートフォンの多くは、別途アプリを入手しなければならないが、Windows Phoneなら標準でできる(図2)。しかも「表示のズレや違いが少なく、複数の端末で編集・保存を繰り返しても問題が生じない」(日本マイクロソフト)。

図2 Windows Phoneは、KDDI(au)からしか販売されておらず、機種も1種類のみ。対応アプリの数は、iPhoneやAndroidと比べると少ない
図2 Windows Phoneは、KDDI(au)からしか販売されておらず、機種も1種類のみ。対応アプリの数は、iPhoneやAndroidと比べると少ない
[画像のクリックで拡大表示]

 標準のウェブブラウザーにはInternet Explorer 9を採用。HTML5などの最新のウェブ技術にも対応している。また、同社のネットストレージ「SkyDrive」に直接写真や文書などのファイルを保存できるのも魅力だ。

 操作性もほかのスマートフォンとは異なる。メイン画面には「タイル」というボタンが縦2列に並ぶ。ここから電話や写真などの機能を呼び出す。欲しい情報に素早くアクセスできるよう、関連機能をまとめて表示できるのが特徴だ。例えば電話帳(ピープルハブ)では、電話番号、メールアドレスだけでなく、TwitterやFacebookなどのSNS関連の情報もまとめて見ることができる。使い始めは戸惑うが、慣れると使いやすい。このユーザーインタフェースは、次期パソコン向けOSとなるWindows 8にも導入される予定だ。

 現在、Windows Phoneに対応しているアプリは全世界で約3万本[注2]と、iPhoneやAndroid向けアプリと比べると10分の1程度。アプリを組み込むことで、使い勝手を上げられるのが魅力のスマートフォンにおいては、不利な状況だ。今後、どれだけ増やせるかが普及のカギを握る。同時に、KDDI以外の携帯事業者の採用が進まないと普及はおぼつかない。


[注1] マイクロソフトはかつて、PDAや携帯電話向けのOS「Windows Mobile」を開発していたが、Windows Phone 7は、これとは別に新たに作り直したOSだ
[注2] このうち、国内で入手できるアプリは数千。現在、全世界で1日に約150個のペースで増えている