PR
ソフトバンクモバイルが2012年2月に開始予定のモバイル通信サービス。下り最大110Mbps(当初は同76Mbps)/上り最大15Mbps(同10Mbps)と高速。

 ソフトバンクモバイルは、2012年2月にも新たなモバイル通信サービスを始める。その名も「SoftBank 4G」。サービス開始当初は下り最大76Mbps/上り最大10Mbps、将来は下り最大110Mbps/上り最大15Mbpsまでの高速化を見込む、新たな通信サービスである。まずはサービス開始に合わせてモバイルルーター1機種を発売。SoftBank 4G対応のスマートフォンなども順次投入する予定だ。

 このサービスは当初、ウィルコムが次世代PHSサービス「WILLCOM CORE XGP」として計画したもの。PHSと同様に基地局のカバー半径が小さいマイクロセル方式を採用し、PHSと基地局のアンテナを共用できる仕様として全国にきめ細かく基地局を設置し、安定的に高速通信できるサービスを目指していた。UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」と同時期に総務省の認可を得て電波の割り当てを受け、2009年10月からは一般ユーザー400人のみを対象とした商用サービスも実施していた。しかし、ウィルコムの会社更生法適用の申請によりXGPの計画は幻に終わった。

 ウィルコムの支援企業として名乗りを上げたのがソフトバンクだ。XGP事業をWireless City Planning(WCP)社としてウィルコムから分割させた上で、WCPとウィルコムのそれぞれをソフトバンク傘下に収めた。今回のSoftBank 4Gは、通信設備などを保有・運用するのはWCPであり、ソフトバンクモバイルがWCPの通信設備を借りてユーザーに提供する「MVNO」(仮想移動体通信事業者)の形態を採っている。

 ウィルコムからXGPを引き継いだソフトバンクだが、ウィルコムが自社開発したXGP方式の通信技術をそのまま商用化したわけではない。同社は、中国やインドなどで実用化に向けて準備が進む「TD-LTE」方式に着目。ウィルコム時代に総務省から受けていた認可内容を大枠では引き継ぎつつ、詳細な仕様を変更することで「TD-LTEと100%互換のサービス」(ソフトバンクモバイルの孫正義社長)へと転換させた。認可を引き継いだ経緯もあり、WCPは通信方式を「AXGP」(Advanced XGP)方式と呼んでいるが、実質的にはTD-LTE方式とほぼ共通とみられる。

 ウィルコム独自のXGP方式の場合、通信設備や対応端末をメーカーに特注して開発してもらう必要がある。市場のニーズに見合った端末をタイミング良く投入しづらくなるほか、通信設備や端末のコストも高くなってしまう。一方、中国とインドという人口の多い2カ国で提供予定のTD-LTEであれば、多くのメーカーが対応の通信設備や端末を開発することが見込まれ、基地局の設備投資や端末の販売価格を大幅に抑えられる。

 SoftBank 4Gは、第4世代携帯電話を表す「4G」を名乗るサービスとして、日本国内では初めてである。しかし、通信業界においてTD-LTE方式は第3.9世代携帯電話(3.9G)に位置付けられ、NTTドコモの「Xi」で使われるLTE方式や、UQ WiMAXのモバイルWiMAX方式と同じ世代に分類される。にもかかわらずサービス名に4Gを付けているのは、米国での動きが背景にある。米国では、 DC-HSDPAやLTEなど3.5Gや3.9Gの通信方式に対して、通信事業者がマーケティング上の施策として4Gと名付けるケースが相次ぎ、通信規格の標準化団体である国際電気通信連合(ITU)が2010年12月にこれを追認すると決定。ソフトバンクモバイルは、この決定を根拠として4Gを名乗る。

●ウィルコムの次世代PHSがルーツ
図1 SoftBank 4Gは、旧ウィルコムが2009年10月から東京中心部で限定的な商用サービスを実施していた「WILLCOM CORE XGP」(左)がルーツ。ソフトバンクの傘下に入った後、中国やインドで実用化が進むTD-LTE方式とほぼ共通仕様のAXGP方式(右)に方針転換した
図1 SoftBank 4Gは、旧ウィルコムが2009年10月から東京中心部で限定的な商用サービスを実施していた「WILLCOM CORE XGP」(左)がルーツ。ソフトバンクの傘下に入った後、中国やインドで実用化が進むTD-LTE方式とほぼ共通仕様のAXGP方式(右)に方針転換した
[画像のクリックで拡大表示]

■ニュース「SoftBank 4Gのネットワーク詳細、運営会社のWCPが公表!!」>>こちら