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30万人のファンと双方向コミュニケーション

 2011年12月に行われた「第5回企業Web・グランプリ」で日本航空(JAL)の「Facebookページ」がソーシャルネットワーク部門のグランプリに選ばれた。実は、同社の「Facebookページ」は一般ユーザーからの評価も高い。その秘密を「Facebookページ」を担当する浅香浩司氏にお話を伺った。

ブランドイメージの回復を目指し、“顔が見える”SNSの運用をスタート

■「Facebookページ」を開設した経緯を教えてください。

浅香 JALの「Facebookページ」を開設したのは2011年4月からですが、社内では2010年の9月からソーシャルメディアへの取り組みについて検討を始めていました。当時は、2010年1月の経営破綻によるJALのブランドイメージの毀損が大きな課題となっており、「顔が見えない」「官僚的だ」というイメージが強かったのです。ブランドイメージの回復が何よりの急務と感じていましたので、ソーシャルメディアによるお客さまとの双方向のコミュニケーションに期待するところがありました。2011年1月に社内プロジェクトチームを本格的に立ち上げ、JALが原点・初心に立ち返ってブランドを再構築することを目的に、「鶴丸ロゴ」を新たに採用した2011年4月に「Facebookページ」も開設しました。

■Facebookのプロジェクトチームは何人ほどで構成されているのでしょうか。

浅香 10人前後です。マーケティング本部の企画推進部とWEB販売部が事務局となり、宣伝部とマイレージ部を加えての4部が実際のコミュニケーションを担当しています。そのほかにサポートとして、広報部とお客さまサポート室なども。皆、兼任での運営ですが、毎週ミーティングを行って2 週間先までの投稿の内容や担当などを決めており、投稿する原稿については、さらに各部署にお願いしています。

■開設するに当たって、社内から反対の声などはあったのでしょうか?

浅香 それは、かなりありました。検討を始めた時期には、Facebookとは何かというのも分からない者がほとんどでしたし、そもそも「ソーシャルとは何か」ということも浸透していませんでしたので、いわゆる「炎上」を心配する声をはじめ、ネガティブな反応が少なからずありました。そこで、ネガティブな意見に対して1つずつ対策を用意して、最終的には幹部も含めて1人ひとり説得して回ったんです。大変ではありましたが、プロジェクトチームが1つになって強い意志を持って解決をしていくことで実現したと思っています。

■具体的には、どのように説得されたのでしょうか?

浅香 JALとしてソーシャルメディアに参加する理由をはっきりさせるのはもちろん、投稿体制や投稿内容の方針、運営体制、緊急連絡網なども用意しました。実際は、Facebookの「グループ」を使ってフレキシブルに対応していますが、あらかじめ「コメント」への対応フローや想定問答集なども作成しました。ほかにも社内Q&A、社外Q&A、ソーシャルメディアポリシーの明文化などを行っています。またFacebookの場合は、社員の個人アカウントでも勤務先が表示されますし、情報リークなどもあってはいけないのでコンプライアンスは徹底するようにし、法務部から社内のソーシャルメディアへの啓蒙活動も行いました。

■実際に「Facebookページ」を開設してみて、顧客、ユーザーの反応はいかがでしたか?

浅香 直前に(東日本大)震災もあったため、開始時期については議論もありました。しかし、そのような時期だからこそソーシャルメディアに参加して、お客さまと地に足の付いたコミュニケーションを始めるべきだという意見も出て、予定通り4月から開始しました。ただ、特に大々的な告知などはせず、最初は社員の個人アカウントからで。それが、すぐに数千人の方にファンになっていただくことができ、ソーシャルメディアの力を実感させられました。加えて、皆さんからの反応のほぼ100%が、温かいコメントや熱い応援メッセージだったのに驚かされました。開設までの苦労もありましたし、どちらかというと、厳しい意見が多かった中でしたので、勇気づけられ、胸が熱くなる思いでした。