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豊かな体験を形作るのはトップの仕事


iPadで書籍を読むとき、ページをめくると紙の本をめくっているのと同じような感触を感じる。裏ページがちゃんとくっついてくるのは、これまでにない見せ方だった。他社もすぐに追随するほど
iPadで書籍を読むとき、ページをめくると紙の本をめくっているのと同じような感触を感じる。裏ページがちゃんとくっついてくるのは、これまでにない見せ方だった。他社もすぐに追随するほど
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ジョブズ自身が未来のユーザー役に

 アップルの製品は動きが滑らかで、触っていると何だか本物の物体を触っているような錯覚に陥ることがある。iPadで電子書籍のページをめくるときなどは特にそのことを感じる。画面をドラッグすると、画面が指に吸い付いてくる。最後にサッとフリックして跳ねるとスルスルっと画面が流れて行く。何となく、ただの電子機器を使っているのとは異なる気持ち良さを感じ、体に馴染んでくる。

 こうした細かな動きを実現するには、実は高度なプログラミング技術を駆使しなければならないうえに、ハードウエアも、よりパワフルなものを用意しなければならない。結局、製品開発期間やコストを押し上げる要素にもなってしまうのだが、スティーブ・ジョブズ氏の感性が妥協を許さない。

 商品企画として「体に馴染む」使用感を実現する商品を作ろう、と事業部が立ち上がったとしても、なかなか理想的な商品は生まれない。アップルが他社に先駆けて革新的かつその時点での理想に近い商品を世に問えたのは、ひとえにスティーブの執念があったからだ。

 「自分が使いたい最高のものを作る」「私がユーザーの代弁者だ」。スティーブはことあるごとに訴えている。