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この記事は日経パソコン10月8日号からの転載です。

 小説や実用書と並び、電子書籍ユーザーの利用比率が高いジャンルはコミック(表2)。楽天リサーチが2012年6月に実施した調査では、電子書籍でコミックを読んでみたいという比率は31.1%と人気は根強い。

●コミックを取り扱っている主な電子書店
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 コミックを読むなら単にストーリーを追うだけでなく、作者が描いた線のタッチといった細部から、コマの割り振り方といったページ全体の構成までを楽しみたい。快適に読むには10型前後の画面の大きなタブレット端末が良い。このサイズであれば見開きページを表示できる。左右ページにまたがる大きな絵柄も違和感なく表示できる(図5)。

●大型画面のタブレットなら見開きで楽しめる
図5 スマートフォンや電子ペーパーの専用端末では基本的に1ページごとの表示となる。10型前後と画面の大きなタブレット端末であれば、ページを見開きにして楽しめる。画面上で2本の指を広げるピンチ操作をすれば、拡大の操作も楽にできる
図5 スマートフォンや電子ペーパーの専用端末では基本的に1ページごとの表示となる。10型前後と画面の大きなタブレット端末であれば、ページを見開きにして楽しめる。画面上で2本の指を広げるピンチ操作をすれば、拡大の操作も楽にできる
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 パソコンを使って電子書籍のコミックを読む手もある。15.6型のノートパソコンなどで全画面表示すれば迫力のある描写を楽しめる。

 画面の小さなスマートフォンで読む場合は、ページの全体を見て、細部を確認するためにその部分を拡大して、また全体表示に戻す……といった作業を繰り返すことになる。

 電子ペーパー搭載の専用端末でもコミックを表示できる。スマートフォンに比べれば、画面が大きく、ページ全体が読みやすい。ただ、ページめくりの際に画面全体を書き換える(リフレッシュする)ため、切り替えが遅くなる。この点に不満を感じる人はいるかもしれない。

 電子書籍ならではの特別な味付けをしたコミックも登場している。集英社は同社の人気のコミックをコンピューター上で着色し、全ページをカラー化したコンテンツを配信している(図6)。もともとは「アメコミなどのカラー化されたコミックの人気が高い海外に向けて制作した」(集英社)ものだったが、国内でも携帯電話向けコンテンツとして好評を得た。2012年6月からは電子書店各社がカラー版コミックの取り扱いを開始している。着色の作業は、専門のオペレーターが当たり、原作者が描いたカラー原稿を参考にしながら色使いを再現。完成後は原作者が彩色に問題がないかチェックをした上で配信しているという。

●原作はモノクロだった作品をカラー化して電子配信
図6 集英社は「ジョジョの奇妙な冒険」「ONE PIECE」「NARUTO -ナルト-」といった人気のコミックをカラー化し、電子書店を通して販売している。1冊丸ごとカラー化しているので、かつてモノクロの作品を読んだ読者でも新鮮な読書体験が得られる
図6 集英社は「ジョジョの奇妙な冒険」「ONE PIECE」「NARUTO -ナルト-」といった人気のコミックをカラー化し、電子書店を通して販売している。1冊丸ごとカラー化しているので、かつてモノクロの作品を読んだ読者でも新鮮な読書体験が得られる
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 書店では手に入らない貴重なコミックを読むこともできる。赤松健氏は絶版コミックを配信するWebサイト「Jコミ」を開設している(図7)。利用料は無料。広告から得た収益を漫画家に還元する仕組みだ。このほか佐藤秀峰氏は漫画家が自由に作品を配信できる「漫画 on Web」を開設。作品「ブラックジャックによろしく」を無料配信するほか、多数の作品をそろえて注目を集めている。

●漫画家が自らの作品を配信するプラットフォームを構築
図7 漫画家が自らの作品を配信し、広告や電子データの販売による収入を得るためのプラットフォームが登場している。赤松健氏が立ち上げた「Jコミ」と佐藤秀峰氏による「漫画 on Web」がある
図7 漫画家が自らの作品を配信し、広告や電子データの販売による収入を得るためのプラットフォームが登場している。赤松健氏が立ち上げた「Jコミ」と佐藤秀峰氏による「漫画 on Web」がある
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