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 スマートフォンからインクジェットプリンターに直接データを無線送信し、印刷できる。もう無線LAN環境さえ不要──。家庭用プリンターの無線対応、クラウド対応が一段と進んでいる。9月末までにセイコーエプソン、キヤノン、日本ヒューレット・パッカード(HP)、ブラザー工業が発表した今年の新製品はいずれも、こうした機能の強化を図っている(図1)。プリンターの印刷画質や印刷スピード、静粛性などが十分なレベルに達している現在、メーカー各社は新たな“魅力”作りに躍起になっている(図2)。

●2012年秋冬モデルの目玉はネットワーク連携機能
図1 インクジェットプリンターの新製品では、無線・クラウド連携機能が強化された。スマートフォンで撮影した写真を直接印刷できるほか、スキャン原稿をクラウドサービスに保存したり、メールに添付して送信したりできる機種もある。逆に、クラウド上の写真を直接印刷したり、Wi-Fiデジカメから印刷したりできるものもある方式の2種類があるので、自宅の環境に応じて選ぶ必要がある
図1 インクジェットプリンターの新製品では、無線・クラウド連携機能が強化された。スマートフォンで撮影した写真を直接印刷できるほか、スキャン原稿をクラウドサービスに保存したり、メールに添付して送信したりできる機種もある。逆に、クラウド上の写真を直接印刷したり、Wi-Fiデジカメから印刷したりできるものもある方式の2種類があるので、自宅の環境に応じて選ぶ必要がある
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●プリンターメーカー4社の対応状況
図2 無線・クラウド連携機能は、各社によって機能や方式に違いがある。特に、スマートフォンからの印刷については、無線LANを経由する方式と、直接無線で接続する
図2 無線・クラウド連携機能は、各社によって機能や方式に違いがある。特に、スマートフォンからの印刷については、無線LANを経由する方式と、直接無線で接続する
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 きっかけは、スマートフォンやタブレットなど無線が使えるモバイル機器の登場だ。同時に家庭内無線LANの浸透率も数年前と比べ格段に上がった。今や「パソコンを利用する家庭の6割近くに無線LANが設置されている」(エプソン販売の中野修義取締役販売推進本部長)。

 プリンターが有線でパソコンと接続していた時代は、デジタルカメラで撮影した写真を印刷するにはデータをいったんパソコンに取り込む必要があった。しかし、スマートフォンなどの普及とともに、これらの端末に対応したプリンターが登場した。先陣を切って、2年前に発売したのが日本HP。スマートフォンで撮影した写真を無線LAN経由でプリンターに送信し、印刷できる機能を盛り込んだ。その後、各メーカーが追随し、「パソコンレスで印刷」という流れが定着。この秋冬の新製品では、さらに一歩進んだ機能・サービスへと取り組みを進めている。

無線環境以外で直接印刷

 一つは徹底した無線対応。無線LANを導入していない家庭も多いことから、無線LANルーターを経由せずにスマートフォンとプリンターを直接無線で接続できる製品が登場した。セイコーエプソン、日本HP、ブラザー工業などが対応機を発売している。

 デジタルカメラと無線で接続できる機種も登場。無線機能を持つ「Wi-Fiデジカメ」が今年急増したことが背景にある。この機能を使えば、いったんパソコンに写真を保存したり、SDメモリーカードを抜き差ししたりすることなく、デジカメ本体で写真を指定して印刷できる。

 もう一つの流れは、クラウドサービスとの連携強化だ。例えば、セイコーエプソンやブラザー工業の一部の機種では、スキャンしたデータを直接、専用のクラウドサービスに保存できる。写真や文書を複数の端末から閲覧したり、知人と共有したりするのに便利だ。

 スキャン原稿の活用という点では、セイコーエプソンと日本HPが、データをメールでほかのプリンターに送って出力する機能を一部機種に搭載した。カラーファクスのように使えるため、ビジネス用途も含む新たな利用を生み出しそうだ。

 クラウドサービス上の画像をプリンターの液晶パネルで閲覧・選択し、印刷することも可能になった。キヤノンとブラザー工業の一部がこの機能を搭載している。ちなみにブラザー工業は、自社のクラウドサービス以外にPicasaやDropboxなどのオンラインストレージや、FacebookなどのSNSとも連携できる。