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 ドラッグ・アンド・ドロップでファイルをインターネット上に保存でき、ほかのパソコンからでも簡単にファイルを参照できる──。このように便利なオンラインストレージを普段から活用している人は多いだろう。Dropbox、Googleドライブ、SkyDriveなどの個人向けサービスが登場し、USBメモリーに代わるデータの“持ち運び手段”として定着してきた。

 そんな個人ユーザーから広がったオンラインストレージに、新風が吹き始めている。ユーザー管理やセキュリティなどの機能を加えた企業向けサービスが相次いで登場しているのだ。例えば、キングソフトは2011年12月、個人向けサービスの「KDrive」に機能を加えた「KDrive for Business」を開始。周辺機器メーカーのエレコムは2012年2月、同社初の企業向けサービス「SureAx」を開始した。

 こうしたサービスが増える背景には、個人向けのオンラインストレージを使って業務に必要なファイルを外部に持ち出す“勝手クラウド”が広がっていることがある。「Dropboxなど個人向けサービスに、本来は外部に出してはいけない業務上のファイルを保存するユーザーが増えている」(エレコム商品開発部新規ビジネス開発課の酒井隆博氏)。特にIT利用の制限が緩やかな中小企業でその傾向が強いという。そこでデータ漏洩などのリスクを低減できる企業向けオンラインストレージに注目が集まっているのだ。

月額数百円のサービスも

 個人向けサービスとの違いは、ユーザーやファイルの管理機能や、セキュリティ機能を強化していること。複数のユーザーで使うことを想定しているため、ユーザーごとにアクセスできるフォルダーを制限する機能や、緊急時にアカウントを停止する機能、利用状況のログを参照する機能などを備える(図1左)。

●企業向けオンラインストレージサービスが持つ6つの主な特徴
図1 企業向けのクラウドサービスとして、オンラインストレージサービスが数多く登場してきた。個人向けサービスと比べると、管理機能やセキュリティ機能を強化している。従来の企業向けサービスと比べると、操作性や使い勝手が良くて低価格という特徴がある
図1 企業向けのクラウドサービスとして、オンラインストレージサービスが数多く登場してきた。個人向けサービスと比べると、管理機能やセキュリティ機能を強化している。従来の企業向けサービスと比べると、操作性や使い勝手が良くて低価格という特徴がある
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 個人向けサービスではデータセンターが海外に置かれている場合があり、この点に懸念を持つ企業ユーザーもいる。「トラブル時に現地の法律が適用され、データが差し押さえられるなどの恐れがある」(大塚商会マーケティング本部Webプロモーション部Webサービスプロモーション課の萩原浩一係長)からだ。そこで国内のデータセンターで運営している点を売り物とするサービスが多い。

 従来の企業向けストレージサービスとの違いは主に4つある(図1右)。まずは管理が容易であること。Web上に管理ページが設けられおり、ネットワークやサーバーの専門知識がなくても運用できる(図2)。導入コストも安く、1ユーザー当たり月額数百円の場合もある(表1)。

●Web上の専用サイトでユーザーやファイルを管理
図2 Webブラウザーでアクセスできる管理画面では、ストレージにアクセスできるユーザーやIPアドレスの登録、どのユーザーがどのフォルダーを利用できるかといった設定ができる。画面はキングソフトの「KDrive for Business」
図2 Webブラウザーでアクセスできる管理画面では、ストレージにアクセスできるユーザーやIPアドレスの登録、どのユーザーがどのフォルダーを利用できるかといった設定ができる。画面はキングソフトの「KDrive for Business」
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●主な企業向けオンラインストレージサービス
表1 2012年に入ってから開始した企業向けオンラインストレージサービスも多い。サービス内容の細部はそれぞれ異なっているものの、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットに対応し、各種の管理機能を搭載するという点は共通している
表1 2012年に入ってから開始した企業向けオンラインストレージサービスも多い。サービス内容の細部はそれぞれ異なっているものの、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットに対応し、各種の管理機能を搭載するという点は共通している
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