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 電子書籍端末独特の機能である「ソーシャルリーディング」。本によって読者をつなぐこの機能は、新たな読書環境とマーケティングを提供するだろうか。

 電子書籍端末の売りの一つに、「ソーシャルリーディング機能」がある。アマゾンが「第3世代Kindle(Kindle Keyboard)」に搭載)したことで俄然注目を集め、その後の電子書籍端末には、このソーシャルリーディング機能が標準で搭載されるようになったといってもいい。

人と人が本でつながるソーシャルリーディング

 Kindleに搭載されていたのは、「ポピュラーハイライト」という機能だった。ユーザーがKindleで読んでいる本の中の一節をマークしてハイライトを付けると、それが同じ本を読んでいる他のユーザーにも表示されるという機能である。

 例えば、Kindleで本を読んでいるとき、ポピュラーハイライト機能を有効にしておけば、他のユーザーがどの箇所にハイライトを付けたかを表示させることができる。もちろん、ここには読者の感想などを書き込んでおくこともできるから、誰がどの箇所でどんな感想を持ったのかといったことも分かったりする。

 あるいは、KindleにはTwitterやFacebookとの連携機能もあり、本を読んでいる状態でシェア(共有)機能を起動すると、自動的にTwitterやFacebookに読んでいる本のタイトルやアマゾンへのリンク、記入した感想などを投稿してくれる。これらがKindleのソーシャルリーディング機能の基本だが、他の電子書籍端末のソーシャル機能も同じようなものだ。

 ソーシャルリーディングというのは、「読書体験の共有」とでも訳される機能であり、サービスでもある。

Kindleに見るソーシャルリーディングの仕組み

Kindleの「ポピュラーハイライト機能」で、他のユーザーがハイライトを付けた情報が閲覧できる。
Kindleの「ポピュラーハイライト機能」で、他のユーザーがハイライトを付けた情報が閲覧できる。
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ハイライト部分は、Webでも確認できる。
ハイライト部分は、Webでも確認できる。
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感想やハイライトを付けた部分を、Facebookなどに投稿して共有できる。
感想やハイライトを付けた部分を、Facebookなどに投稿して共有できる。
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Kindleのソーシャルリーディング設定画面。
Kindleのソーシャルリーディング設定画面。
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 ここ数年、TwitterやFacebookに代表されるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)がはやっている。いわゆる口コミメディアだが、電子書籍端末を利用しているとき、3G回線やWi-Fiに接続されていれば、読んでいる本の情報やその感想、気になった一節といったものを、これらのSNSにも簡単に投稿してくれる仕組みだ。

 もちろん、事前に自分が参加しているSNSのアカウントやパスワードを設定しておく必要がある。

 こうしてSNSに読んでいる本の情報が投稿されると、フォローしている別のユーザーなどにこの投稿が表示され、その本の話題で盛り上がったり、あるいは興味があればリンクをクリックしてアマゾンなどに飛び、その本を購入できたりする。

 いわば友人によるリコメンド(推奨)だといっていいだろう。友人が読んでいる本だから、自分でもちょっと読んでみようか、という流れで販売にも結び付く。従来のマーケティングでは思うようにモノが売れなくなったという理由でもあるのだろう、マスメディアなどに掲載される書評などは信用できないが、友人が薦める本なら信用できるし、手にとってみようと考えるのも自然だ。

 こうしてSNSと電子書籍端末とが結び付くことで、リーダーも出版社にも、双方にメリットが出てくると予想されるのがソーシャルリーディングである。