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 学校教育の現場で、情報通信技術(ICT)の存在感は増す一方だ。ICT活用を学ぶ授業を実施しているだけでなく、ICTを使って授業を分かりやすくする、成績処理や出席管理などの作業(校務)をICTで効率化する、といった形でも広く利用している。

 そのための環境も整いつつある。タブレットなどの機器の整備や、教員の指導力を向上させるための取り組みが進んでいる。

 こうした動きの背景には、国による情報化推進の方針がある。特に小中高等学校については、2011年度から順次全面実施されている新学習指導要領において、ICTの活用を明記(図1)。各教科の指導の中でICTの活用スキルや情報モラルを習得させることなどを盛り込んでいる。

●さまざまな形で教育の情報化が進展
図1 小学校、中学校、高等学校においては、2011年度から順次全面実施されている新学習指導要領で、教育の情報化を推進。表に挙げた項目のほか、各教科の中でのICT活用力の指導や、情報モラル教育の実施も強化されている。大学では、それぞれ独自の取り組みが見られる
図1 小学校、中学校、高等学校においては、2011年度から順次全面実施されている新学習指導要領で、教育の情報化を推進。表に挙げた項目のほか、各教科の中でのICT活用力の指導や、情報モラル教育の実施も強化されている。大学では、それぞれ独自の取り組みが見られる
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 2013年度からは、高等学校の必履修教科「情報」の内容を一新する。情報モラルに関する教育を強化するほか、情報活用の実践力などの育成を重視し、内容を見直す。併せて科目も再編。現行の「情報A」「情報B」「情報C」を、「社会と情報」「情報の科学」の2科目とする(図2)。

図2 タブレットやデジタルカメラを使った授業の例(左)。新しくなった教科「情報」の教科書(東京書籍)(右)
図2 タブレットやデジタルカメラを使った授業の例(左)。新しくなった教科「情報」の教科書(東京書籍)(右)
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生き残りをかける大学

 教育の情報化は、大学においても進展している。少子化の時代に大学が生き残るには、学習・研究を支援する環境の充実が欠かせない。そのための有益なツールが、ICTというわけだ。スマートフォンなどを活用して自宅でも学べる環境を整備したり、学生にOfficeソフトやセキュリティ対策ソフトのライセンスを無償で提供したりする大学も現れている。次章から、こうした最新事例を紹介する。

 一方で、現実には、情報化がなかなか進まない教育現場も存在する。自治体の方針の違いなどによって、学校間に格差が生じているのだ。本誌恒例の「公立学校情報化ランキング 2012」で、実情を明らかにした。