店員にクレジットカードを渡すと、その場でスマートフォンを取り出し、カードを読み取る──。こんなシーンを目にする機会が増えそうだ。カード会社やIT企業が、スマートフォンでクレジットカード決済をするサービスを、企業や中小の店舗向けに本格的に展開し始めた。
三菱UFJニコスは2013年2月1日に、iPhoneでカード決済が可能なサービス「Poke Pos for J-Mups」を開始した。クレディセゾンは4月に、ベンチャー企業コイニーのカード決済サービス「Coiney」を、セゾンの加盟店などに提供を始めた。
IT企業では、ソフトバンクモバイルが3月5日からソフトバンクショップを通じて日本PayPalのサービス「PayPal Here」を、4月1日にはKDDIが楽天の「楽天スマートペイ」を、それぞれ企業向けに販売し始めた。
このほかにも、フライトシステムコンサルティング「ペイメント・マイスター」、リンク・プロセシング「Anywhere」などが以前からサービスを提供している(図1)。この両社は2013年に入って、中国の「銀聯カード」や電子マネーへの対応などを表明している。
これらのサービスは、一般に販売されているスマートフォンやタブレットをそのまま決済端末として使用できる。従来の据え置き型専用決済端末よりも低コストで導入できるのが利点だ。
場所を選ばすにカード決済ができるのも特徴だ。据え置き型の端末はレジ横など、限られた場所でしか使用できない。スマートフォンやタブレットなら、店舗内はもちろん、客先でも決済が可能だ。