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 市場規模の頭打ちや押し寄せる低価格化の波、著名ブランドの事業撤退や相次ぐM&Aなど、ここ数年、パソコン業界を巡る話題には暗い影がつきまとう。インターネットの普及と歩みを一にするように時代を切り開き、世の中を変えてきたパソコンだが、もはや産業として衰退に向かうのか、あるいは姿や形を変えて、これからも世の中を牽引し続けるのか――1990年代にマイクロソフト日本法人のトップとして、パソコンの普及に奔走した成毛眞氏(現HONZ代表)に聞いた。(PC Online編集部)

パソコンが売れていない一番の理由は「行き渡ったから」

 最初にお断りしておきますが、私がマイクロソフトを辞めたのが2000年。実はマイクソフトの株価もその年に最高値を付けています。株価が先行指標であるとするならば、そこからいろいろなことが読み取れるはずです。いずれにしても、あれからもう15年がたっています。私の現在の肩書きは書評家、執筆家で収入の95%は印税です。文章を書くのが仕事ですから、パソコンは今も欠かせません。そういう意味ではパソコンがなくなっては困るし、これからも残っていくと思っています。

 ちなみに現在使用中のIT機器は、MacBook Pro、MacBook Air、iPad Retina、iPad mini Retina Cellular、iPhone 5sです。Windowsは2005年あたりから使ってませんので、現在販売中のバージョン名も知りません。8でしたっけ? 同様にMacのOSもiOSのバージョンも知りません。面倒なんでアップルに統一している=アップルのUIにロックインされているだけです。

■<b>成毛眞(なるけ・まこと)</b> 書評サイト<a href=HONZ代表。元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。スルガ銀行社外取締役。早稲田大学ビジネススクール客員教授。週刊新潮、週刊東洋経済、月刊クーリエ・ジャポンにエッセイ連載中。産経新聞、週刊朝日などに書評寄稿多数。代表的著書に『面白い本』『大人げない大人になれ』。雅号は「半覚斎」。(撮影:村田 和聡)">
成毛眞(なるけ・まこと) 書評サイトHONZ代表。元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。スルガ銀行社外取締役。早稲田大学ビジネススクール客員教授。週刊新潮、週刊東洋経済、月刊クーリエ・ジャポンにエッセイ連載中。産経新聞、週刊朝日などに書評寄稿多数。代表的著書に『面白い本』『大人げない大人になれ』。雅号は「半覚斎」。(撮影:村田 和聡)
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 次世代のパソコン(私の場合はMac)の条件を聞かれたら、いまのMacが壊れたら、その時点で売っている最新のMacを買うという答えになります。ともかく、なんとかアップルだけは生き残って、新製品を作り続けてほしいものです。別のメーカーのUIを覚えたりするのが面倒なんですよ。
 
 パソコンが売れていないと言われますが、一番の理由は「行き渡ったから」でしょう。買うべき人に行き渡っただけでなく、本来なら必要のない人にまで行き渡った感がある。今、パソコンを積極的に買い替えているのは都会に住んでいるIT業界関係の人だけでしょう。日本人の多くは田舎に暮らしていて、ITのスキルもそんなに高くない。パソコンは買ってはみたものの使ってない、という人も多い。日本全体で見渡せば、ほとんどの人は急いで買い換える必要がないわけです。