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 理系教育を推進する言葉として、Science、Technology、Engineering、Mathematicsの頭文字から取った造語。ステムと読む。米国のオバマ大統領が政策の優先課題として取り上げたことで注目を集めている。

民間企業としてSTEM教育を推進するソニー・グローバルエデュケーションが2015年9月、埼玉大学で開催した「世界算数」公開コンテストの様子
民間企業としてSTEM教育を推進するソニー・グローバルエデュケーションが2015年9月、埼玉大学で開催した「世界算数」公開コンテストの様子
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 2009年の就任以来、米国のバラク・オバマ大統領は教育改革を優先課題に掲げてきた。中でも科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4分野における優れた人材育成を強力に後押ししている。STEM(ステム)とは、これらの頭文字を取った造語である。2009年11月にホワイトハウスが発表した「Educate to Innovate」キャンペーンの声明中でSTEMが明記され、同分野への予算増大、企業や財団などと連携を深めていく姿勢を打ち出した。この施策は現在も続いており、2015年度(2014年10月~2015年9月)にはSTEM分野に29億ドル(約3500億円)の予算を投じた。

 背景には、ITの加速度的な社会への浸透がある。今やインターネットは生活に不可欠となり、日々新たなサービスが生まれている。一方、3Dプリンターに代表されるように、低価格でかつ多品種少量生産のものづくりや、ロボットを介したデータ収集・解析なども現実になりつつある。これらソフト・ハード両面での急激な変化に柔軟に対応し、新たなイノベーションを創出できる人材の確保が急務となっている。

 国内でも同様の動きがある。文部科学省は2015年6月に発表した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の中で「イノベーションの創出」について触れ、理工系人材育成の強化に言及した。

 日本では既に初等・中等教育の現場でもさまざまなSTEMの取り組みがある。タブレットを用いたICT利活用をはじめ、児童向けの開発言語「Scratch」を用いたプログラミング学習、小型センサーを利用した模型作りなど、児童・生徒の創意工夫を伸ばす試みが全国各地で実施されている。こうした教育から次世代の産業を担う人材が生まれてくることが期待されている。