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観光業界を中心に脚光を浴びている用語で、原義は「入ってくる、内向きの」といった意味。転じて外国人の訪日旅行を指す。外国人による消費拡大に伴い、ITを活用したインバウンド向けサービスが続々と生まれている。

 インバウンドとは、外国人の訪日旅行を指す用語として用いられる。日本政府観光局(JNTO)の報告によれば、2015年の「訪日外客数(訪日外国人旅行者数)」は1973万7400人となり、統計を開始した1964年以降で最大の伸び率を記録。特徴としてタイ、インドネシアなど東南アジア諸国からの観光客の増加が挙げられるという。さらに2015年は円安や入国ビザの大幅緩和などもあり、中国人観光客の“爆買い”に代表されるように、インバウンドに伴う消費が増大している。

 こうした多国籍化、そして4年後に控える2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催をにらみ、ITを駆使したインバウンド向けサービスが花盛りである。観光情報メディアが英語のみならず中国語、インドネシア語、ベトナム語など多言語に対応し始めたほか、中国人向けに日本のショッピング情報に特化したサイトも出てきた。いずれも旅先で持ち歩いて閲覧することを想定し、スマートフォンでの表示に注力する。

 大企業もインバウンドサービスを提供し始めている。東芝は同社が開発した同時通訳サービスを用いて、2016年1月から軽井沢のショッピングセンターで商用サービスを開始した。スマートフォンに向けて発した母国語がクラウドの通訳サーバーを通じてほぼリアルタイムで日本語に変換され、画面に表示される仕組みで、コミュニケーション向上に一役買う。

 これらのサービスに欠かせない無線LAN(Wi-Fi)環境の整備も進む。都心のホテルや商業施設などはもちろんのこと、スキー場や温泉など全国各地の観光地にも波及。例えば観光都市として名高い岐阜県高山市では登録後最大7日間、無料でWi-Fiサービスを提供する。

NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)が提供する「Japan Connected-free Wi-Fi」。訪日外国人向けのフリーWi-Fiアプリで、11言語に対応
NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)が提供する「Japan Connected-free Wi-Fi」。訪日外国人向けのフリーWi-Fiアプリで、11言語に対応
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