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VoLTE

携帯端末向けの高速通信規格「LTE」を使った音声通話サービス。音質が向上し、呼び出し時間も短縮される。2015年4月のiOS 8.3の提供にあわせて、iPhone 6でもVoLTEが利用できるようになった。

 携帯電話の新しい音声通話サービス「VoLTE(ボルテ、Voice over LTE)」は、携帯端末向けの高速通信規格「LTE(エル・ティー・イー、Long Term Evolution)」を用いた音声通話サービスだ。2014年中に携帯電話大手3社のサービスが出そろった。2015年春/夏モデルの発表で徐々に端末側の対応も進み、利用できる環境が広がりつつある。

 VoLTE提供以前のLTE対応端末では、高速データ通信にLTE回線を利用し、音声通話には3G回線を利用していた。VoLTEでは、3Gよりも通信速度の速いLTEを利用することで、通話の音声周波数帯域が広がり、よりはっきりした音質になる。電話をかけてから先方の呼び出しが始まるまでの時間も短くなる。

 VoLTEでは、通話中のデータ通信も改善される。KDDI(au)の端末では、VoLTE以前は音声通話中にデータ通信が利用できなかったが、VoLTEでは利用できる。これまでも音声通話中のデータ通信ができていたNTTドコモとソフトバンクモバイルの端末でも、音声通話中のデータ通信速度が高速化する。

 ただし、現状でVoLTEを利用するには、電話をかける側と受ける側の両方が同じ携帯電話事業者のサービスを利用していて、かつ両方の端末がVoLTEに対応している必要がある。一方がVoLTE非対応の端末、あるいは異なる携帯電話事業者間の通話では、端末の対応状況にかかわらず3G回線を使って通話する。

●3G音声とVoLTEの違い
●3G音声とVoLTEの違い
※NTTドコモの発表資料を参考に筆者が作成。VoLTEを使った通話では、3G使用時よりも高音側の音声周波数帯域が広がり、はっきりした音で通話できる。また呼び出しまでの時間も半分程度まで短縮される
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