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iBeacon

近距離無線通信規格である「Bluetooth(ブルートゥース)」を利用して位置情報を割り出す仕組み。実際の店舗やイベント、駅構内などでの実験導入が進んでいる。

 「iBeacon(アイビーコン)」は米アップルの商標で、省電力の近距離無線通信規格の「Bluetooth Low Energy(Bluetooth 4.0)」を用いて位置情報を把握し、任意の情報を送受信する仕組みのこと。屋外での位置情報取得に使われるGPS(全地球測位システム)では難しい屋内の位置情報取得に向く。2013年秋のiOS7以降のiOSデバイスに実装された。Android 4.3以降の対応端末でも受信可能となっている。

 利用方法として最初に注目されたのは、Web上からリアル店舗での購買行動を促す「O2O(Online to Offline、オーツーオー)」だ。例えば、特定の店に近づくと店頭や店内に設置したiBeacon発信機からの信号をiPhoneなどのデバイスが受信し、アプリを介してクーポンやタイムセール情報などを取得できる。現場ならではの付加価値の提供は、店舗側にとって強力な集客ツールとなる。

 O2O用途だけでなく、昨年から今年にかけて数多くの分野で盛んに実証実験が行われている。日本航空では広大な敷地で働く地上スタッフの現在位置の詳細をiBeaconによって把握し、地上業務の効率化を推進。東日本旅客鉄道(JR東日本)では約160個の発信機を駅構内に設置し、複雑な駅構内のナビゲーションを実施した。

 そのほか、国立民族学博物館におけるiBeaconを用いたプッシュ配信による電子ガイド、名古屋大学附属図書館中央図書館における蔵書検索・書架の案内、京セラドーム大阪球場における座席近くにいるビール販売員の呼び出しサービスなど、近距離の位置情報と配信機能を活用した例が目立つ。iBeaconはユーザーの実際の行動とリンクする技術だけに、今後さらに普及しそうだ。

iBeaconを利用したビール販売員の呼び出しサービス。アプリは「野球場ナビ」を用いる。球場の座席にiBeacon発信機を設置し、近くの販売員を呼び出せる
iBeaconを利用したビール販売員の呼び出しサービス。アプリは「野球場ナビ」を用いる。球場の座席にiBeacon発信機を設置し、近くの販売員を呼び出せる
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