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ヘッドマウントディスプレイ

頭部に装着するディスプレイシステム。仮想現実空間への没入感の高さに定評がある「Oculus Rift(オキュラスリフト)」など、エンターテインメント用途を強く意識した製品が登場している。

 「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」とは、頭部に装着するディスプレイシステムのこと。コンピュータグラフィックスの父と呼ばれる米国の科学者であるアイヴァン・サザランド氏が1968年に開発した仮想現実を体験するシステムがその先駆けとされる。

 大きく分けて、眼前をすっぽりふさぐ没入型と、眼前の景色が透けて見える透過型がある。日本では早くから映画やゲームなどのエンターテインメントと結びつき、メーカー各社が一般向けに没入型のHMDを販売してきた。1990年代後半にはソニーとオリンパスが製品を投入し、市場を盛り上げた。

 これらの製品は一般のディスプレイと比較して省電力、省スペースといった利点がある一方、多人数で閲覧できない、セットが高価、低解像度といった問題点もあり定着には至らなかった。2011年、ソニーは飛躍的に解像度を高めた「HMZシリーズ」を発売し、2世代にわたって継続販売したものの、2015年4月に生産終了を発表した。

 そうした中、米国のオキュラスVR(2014年に米フェイスブックが買収)が2012年から開発を進めてきた「Oculus Rift(オキュラスリフト)」が注目を集めている。これまで3世代にわたり試作品を発表して試験利用を重ねており、その圧倒的な没入感には定評がある。既にゲームなどの開発者向けには提供を開始しており、一般向けにも2016年第1四半期に発売予定だ。

 また、ソニー・コンピュータエンタテインメントはHMZシリーズのノウハウを転用した新たなHMD「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」を開発中だ。ゲーム機「プレイステーション 4」との連動を想定。最新の試作機では5.7インチ有機ELディスプレイを搭載し、1秒間に120回の画像表示が可能といった機能強化を図った。2016年上半期の商品化を目指す。

2015年3月に公開されたソニー・コンピュータエンタテインメントのHMD「プロジェクト モーフィアス」の最新試作機
2015年3月に公開されたソニー・コンピュータエンタテインメントのHMD「プロジェクト モーフィアス」の最新試作機
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