マイクロソフトのOS製品であるWindowsの販売・ライセンス形態の一つ。Windowsを安く購入できることから自作ユーザーを中心に人気を集めてきたが、Windows 10では通常版の方が安いケースも出てきた。
DSPとは「Delivery Service Partner」の略で、正規販売代理店経由で提供される汎用パソコン向けのWindowsライセンスのこと。ショップオリジナルの組み立てパソコンや、自作パソコンにWindowsをインストールするために使われることが多い。もともとはパソコンのパーツとセット販売され、そのパーツを取り付けたパソコンにしかインストールできない条件で販売されていた。その後Windows 7および8のDSP版についてはセット販売の条件がなくなった。OSの機能や使い勝手については通常版などほかのライセンスと変わらないが、サポートは販売した店舗が実施する。
これまでDSP版の方が安く販売されており、パソコンに詳しいユーザーを中心に利用されてきた。また、ライセンス形態ごとに販売時期が異なることから、古いOSのプリインストール販売が終了した後に、使い慣れた古いOSを利用したいユーザーが入手可能なDSP版を購入するという形の利用もあった。
Windows 10では、通常版とDSP版の位置付けに変更が見られる。まず、DSP版が8月1日発売、通常版が9月4日発売で、通常版よりもDSP版が先行した。DSP版は単品販売がなくなり、パーツとのセット販売が復活した。価格面では、通常版の予約価格(8月上旬時点)はHomeエディションが1万5000円前後、Proエディションが2万8000円前後に対して、DSP版のHomeエディション(1300円程度のUSBボードとのセット)が1万7000円前後、Proエディション(同)が2万5000円前後で販売されている。Windows 10のHomeエディションではDSP版よりも通常版の方が安くなる逆転が起きているほか、DSP版で別製品だった32ビット版と64ビット版が通常版では同こんされているなど、Windows 10ではDSP版のお得感が少なくなった。
先行してDSP版 Windows 10が発売された際には、東京・秋葉原などのショップで発売記念イベントが行われ、にぎわいを見せた。