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 2015年6月20日に一般発売したヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」の現場利用が進んでいる。昨年の実証実験段階から注目しているのが介護・福祉業界だ。2015年2月に開かれたPepper向けアプリの大会「Pepper App Challenge 2015」では、介護現場の人手不足を解消しようとの思いから開発された「ニンニンPepper」が最優秀賞を獲得した。6月には川崎市の高齢者介護施設でPepperと入居者との触れ合い交流を実施するなど、続々と社会の現場に導入されつつある(図1)。

●高齢者施設での交流
●高齢者施設での交流
図1 神奈川県川崎市の介護施設「花織たま東」で高齢者と触れ合うPepper
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 Pepperを時給1500円で貸し出すサービスも始まった。引き合いが多いのがPR用マスコット。鳥取県では宣伝部長に任命され、福岡県の西日本鉄道と岩田屋三越ではティッシュ配りのアルバイトとして採用された。一方で千葉県館山市のように、一括購入した例もある。館山市ではPepperを臨時の“見習い職員”として採用し、市内の施設で接客業務を担当する。

 Pepperは、日本のソフトバンクロボティクスとフランスのアルデバランロボティクスが共同開発した。うたい文句は「世界初の感情認識ロボット」だ。人間と共に暮らしながら感情を蓄積し、学習する機能を持つ。2つのカメラ、4つのマイク、通信機能を搭載し、日々の生活で得た情報をクラウドにアップ。動きを最適化するにはスマートフォンのようにアプリを利用する。そしてクラウド上のAI(人工知能)によって膨大なデータを解析することで、“賢く”成長していくという(図2)。

●自ら感情を学習する
●自ら感情を学習する
図2 Pepperの感情を可視化した図
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 6月18日にはタレントや一般招待客も参加して華々しく一般発売発表会を開催。ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏は、「ロボットが心を持ち、Pepperが家族にとって欠かすことのできない存在になってほしい」と語り、壇上ではPepperと冗談を交えながら会話する一幕も。誕生日を迎えたばかりの芸能人のゲストに対し“ハッピー・バースデー”を歌うサプライズもあった(図3)。

●Pepper一般発売発表会の様子
●Pepper一般発売発表会の様子
図3 ゲストの前で“ハッピー・バースデー”を歌うPepper。歌だけではなく振り付けもあった
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 ロボット事業を担当するソフトバンクロボティクスにはPepperの製造を担う台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ、中国電子商取引大手のアリババグループが出資した(図4)。今後は法人用途にも積極的に展開する予定で、Pepperの社会進出にさらに拍車がかかるはずだ。

●今秋には法人向けにも発売
●今秋には法人向けにも発売
図4 左から台湾フォックスコン・テクノロジー・グループのテリー・ゴウ会長、ソフトバンクグループの孫正義社長、中国アリババグループのジャック・マー会長。既に1000社から引き合いが来ているという
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