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 パソコンやスマートフォンで扱う各種コンテンツの肥大化などに伴い、ネットワーク通信も日々高速化を続けている。

 最新の無線通信規格「IEEE 802.11ac」製品も普及してきたが、あまりにも高速な規格で製造技術などが追い付かないため、策定時に規格が2つに分けられた。策定直後に販売された製品は「Wave1」準拠で1300Mbpsを実現。昨年末からより高速な「Wave2」準拠製品の市販が開始され、1733Mbpsが現在のハイエンド帯のスペックとなっている。

 Wave2で一気に速度が向上した理由は一度の通信に使えるアンテナの数だ。Wave1では3×3 MIMO(アンテナが受信用/送信用でそれぞれ3本)が上限だった。一方、Wave2では最大8×8 MIMO。ただし子機側のアンテナ数が多くても現状3×3なので、市販製品としては4×4までのものが主流。アンテナ1本当たり約433Mbpsの速度が出るので4本では433×4≒1733Mbpsとなる。フルスペックのWave2では通信に使う周波数帯域を2倍使って倍速にし、433×8×2≒6.95Gbpsが可能だ。

 きょう体外部にアンテナが出ている製品も多いが、これはより強い電波で通信して実効速度の低下を防ぐため。電波はアンテナの垂直方向に強く発信されるので、子機側からなるべくアンテナ全体が見えるような角度に調整しよう。内蔵アンテナでも独自技術で外部アンテナに負けない電波強度を実現している機種もある。

 機種を選定する際には使いやすさも大切だ。「WPS」などの機能があればルーターと子機の接続時にSSIDの選択やパスワード入力を省略できる。独自の接続設定機能を提供しているメーカーもあり、対応している子機も多い。そのほか有線LANやUSB、セキュリティなどの機能も重要な検討項目として押さえておきたい。