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 良い文章の鉄則は、テーマを絞って書くこと。この欄の原稿を書くときも、できるだけ取り上げる記事の数を絞り込むようにしてきたのですが……今月号はお許しください。見どころが多すぎて絞り込めませんでした。

 まずは、特集「戸建て970棟の強度不足はなぜ起きた」。昨年後半に発覚した首都圏の住宅会社2社の事件を追いかけた記事です。タイトルのとおり、こんなことがなぜ起きてしまったのかを知りたくて、取材を始めました。すると、建築士の日常業務の中にミスを犯す危険が潜んでいることが分かったのです。

 世間を大騒ぎさせた耐震強度偽装はマンションの話で、戸建て住宅は無縁だと、たかをくくっているわけにはいきません。問題が発覚した際の対応のまずさで、長年かけて築き上げてきた信用やブランドイメージを一気に失ってしまう企業が後を絶ちませんが、戸建て住宅の世界も、もう人ごとではなくなりました。

 特集記事では、事件の真相をいろいろな角度から描くとともに、ミスを防ぐ3つの対策を紹介しています。もし、これらの対策をまだとっていないとしたら、早急に手を打つことをお勧めします。

 このほかの「見どころ」として、「使えるニュース/『ホワイトウッドは腐る』報道の真偽は?」があります。あるNPOが機関紙で指摘した輸入木材の危険性について、本当なのかどうなのか、取材してみました。日ごろ、ホワイトウッドを使っている人にとっては必見でしょう。

 さらに、この2月号から新たな連載記事がスタートしました。

 一つめは「がんばる住宅会社、元気印の秘訣」。会社の大小にかかわらず、意欲的な取り組みをしている住宅会社を取り上げていきます。初回は、働く女性にターゲットを絞って展開している大阪の住宅会社にスポットを当てました。

 それから「リフォーム客の本音」。住宅会社に面と向かっては言えない、お客さんの胸の内を描き出します。今回のテーマは、手直しを何度も要求するお客さんの本音です。

 「技術で売る」は、技術力を売りにしている住宅会社の事例を取り上げていきます。技術の説明は、写真やフロー図を使って、分かりやすくお伝えします。

 建材や労賃の相場情報は、今月号から、都道府県別のデータをお伝えしていきます。読者の皆さんがお仕事をなさっている身近な地域の値が分かります。