「競合相手にお客さんを取られた時、相手がお客さんにどんな設計提案をしたのかが知りたくなるんですよ」。ある住宅会社の社長の口から出たこの言葉が、3月号の特集のきっかけになりました。
題して「客に選ばれる提案術」。他社とひと味違う効果的なプレゼンテーションを心がけている住宅会社や設計事務所のケースを紹介しています。記者が取材にとりかかった当初は、見た目の面白さで事例を集め始めたのですが、途中から、「見た目」よりも大切なものがあることに気づいた、とのこと。さてそれは……本誌をお読みいただければわかります。
特集記事の中では、「ここ3年以内に戸建て住宅を建てた100人」に聞いたアンケートの結果も載せています。複数の候補の中から最終的に1社を選んだ時、その選んだ理由は何だったのか、それ以外の会社を選ばなかった理由は何だったのか――などがわかるデータです。
特集以外の見どころとしては、「住宅事件簿」で、換気装置の働きが悪かったためにシックハウス症候群になったとして住宅会社が訴えられた事例を取り上げています。法定の換気装置を取り付けただけではプロの責任を果たしたとはいえない、ということです。ダクトを、どこに、どのように取り付けるかによって、換気性能が大きく変化するということを、ご存知だったでしょうか。
それから、2006年12月号、2007年1月号と2回にわたって「検証・住宅性能」で取り上げた電磁波の測定ですが、読者のみなさんからの反響が大きかったので3月号でもう一度取り上げました。ゲンバ検証隊が行った測定の結果は、使えるものなのか、そうではないのか――。いろいろな立場の識者に意見を聞いてみました。