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 日経アーキテクチュア最新号(2007年5月14日号)の特集では、建築の世界以外で活躍している著名な方にも登場をお願いし、「建築を元気にする」ための視点を提供していただきました。「ホントに元気がないの?」といった反応もありましたが、内側に居る立場でコメントしている建築家の石山修武さんも、いまは「どん底」にあると表現していますので、やはり奮起のしどころ、と考えてよいのでしょう。

 取材に立ち会うことができたのはごくごくわずかですが、特集全体を眺めて、輪郭が定まりきっていなかった幾つかのことに、形が与えられた。私自身はそんな感触を持ちました。

 “どの建物も同じに見える”など、都市部の建築や開発に対する手厳しい意見も多く出てきました。しかし、ダメだと思ったことを率直に「ダメだ」と語れることは、これもエネルギーの源になると考えています。できるだけ多面的になるように組んだつもりですが、それでも異なるご意見の方もいるでしょうから、「いや、“元気の敵”はこれだ」という思いがありましたら、本誌までご意見をお寄せください。

 本特集は、昨年試行した「Next-A」の“再起動”を図る第一弾と位置づけています。「建築の次の一手・次の一歩」を一緒に考えていただくきっかけになればと思います。以下に、新生「ネクストエー」のご案内を記事中から引用しておきます。

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 本誌では昨年1年間、巻末ブック「Next-A」を不定期掲載してきましたが、本号からコンセプトを刷新して再スタートします。特集、トピックスなどの形で随時、掲載する予定です。

 従来の「Next-A」は、主にボーダレスな活動を展開する若手の動向を紹介してきました。新生「ネクストエー」は、若手に限らず、建築の“次の局面”を示唆するテーマを採り上げ、既成の枠では実現しにくかった誌面づくりにチャレンジしたいと思います。

 また、ネクストエーでは、これまで以上に“多面的な視点”を重視していくつもりです。例えば、建築界以外の人たちが建築界をどう見ているのか。建築界の中でも、世代間の意識の違いや逆に共通性から見えてくることも多いでしょう。また、未来を考えるには過去の歴史を振り返る視点も重要だと考えています。

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 トピックスで取り上げた東京・お台場の「ノマディック美術館」は、期間限定であることなどによって、“経済原則”を超越した空間性を持つものとなっています。安藤忠雄さんによる劇場「下町唐座」での空間体験を思い起こしたりもするのですが、“仮設建築”の可能性を改めて感じさせるものです(クライアントからの経済的な支援なども大きいのでしょうが)。近来になくエネルギーを与えてくれる建築でした。