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 改正建築基準法施行──。報じる側としては手ぐすねを引いて始動を待っていたものですが、読者の方々の目線に沿いながら、今後また議論が高まるはずの建築士法の動向も合わせて追いかけます。実務情報としての掲載の頻度を高めていく予定です。最新号(07年6月25日号)には速報的なトピックス「新・建築確認制度が始まる」を掲載しています。このケンプラッツ上でも連動企画を展開していますので、ご注目ください。

 「記憶に刻んでいただける(愛着と共に思い出していただける)誌面」をつくりたいと考えています。それには、手に取っていただいた方の心を動かすことが欠かせないと感じます。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏がニュースサイト「オーマイニュース」日本版の編集長に就任した際、「喜怒哀楽驚恐」のいずれかをモチベーションにしてほしい、と書き手(市民記者)に向けて語っていました(現在は元木昌彦氏にバトンタッチ)。こうした送り手・受け手の“情動”を見詰めることは、雑誌でも原動力として重要になると考えています。

 幸い現在、行く先々で読者(取材先)の方々が口にしてくださるのが、「あの基準法改正の解説は良かった」という言葉です。本年4月9日号に掲載した「詳解 改正建築基準法“厳しくなる確認・検査”」のことなのですが、多くの方々に、謳い文句どおり“早わかり”のためにご活用いただけたと確信しています。

 あえて言えばこの場合は、やっかいな法を理解(読解・整理)する“喜び”を共有できたのではないか、と思います。改正法に対する“怒”や“恐”、あるいは“哀”があるとすれば、それを本格的に追いかけるのは、これからです。雑誌の性格上、書き手が感情を露骨に表現するものではないのですが、「喜怒哀楽驚恐」をもっと意識してみたいとも考えています。

 最新号ではほかに、日経アーキテクチュアとしては初めて、国際的なデザインの祭典「ミラノサローネ」の特派記事(ネクストエー)を特集形式で掲載しています(前号の第一弾に引き続き)。誌面刷新から3カ月の間に、あの手この手の企画を試みてきたつもりです。5月14日号の特集「建築を元気にする18人の提言」にも反響があり、建築にかかわる“喜び”や“楽しさ”をポジティブに再確認するという趣旨が伝わったと感じています。

 今後も、“驚き”を引き起こすだろう大型企画などを鋭意準備中です。ご期待ください。