きっと皆さん、のんびり涼みたい気分でお過ごしかと思われるところにお届けします最新号。都市開発が加速する“灼熱の地”、中東の建築事情を特集します。ミラノに引き続き、現地ドバイに記者を派遣した特派報告です。“丸ごと中東”に。そんな勢いで、二部構成となる大型企画に仕立てています。幅広い層に関心を持っていただけると確信し、特大のリポートで埋め尽くすことにしました。
第一部では、日本から渡り、あるいは行き来し、飛躍の場を見いだした人たちにスポットを当てています。建築設計者、発注者、施工者、建設コンサルタントといった様々な立場の方が登場します。どんな理由で、どんな方法で、そこにたどり着いたのか。どんな思いで仕事に取り組んでいるのか。建築の実務に携わる読者の方々に共感いただけるものと思います。
今のところ物量のインパクトの方が強いですが、誌面で紹介している進行中・計画中の案件をご覧いただければわかるように、仰天プロジェクトが満載。こうしたドバイの様子を知る方は“デザインバブル”という印象をお持ちかもしれません(私もそうでした)。しかし、現地の声を丹念に聴けば、猛スピードで都市形成が進む中、地球環境配慮や持続可能性の議論が地元建築界で起こっている。そんな状況もわかってきます。
第二部では、安藤忠雄氏など名だたる建築家が大挙参画するアブダビ、磯崎新氏が都市計画にかかわるカタール・ドーハのプロジェクトなども紹介しています。ぜひ、じっくりとお読みください。
8月が目前。暑気払いのひまもなく、中越沖地震の被害の取材に、改正建基法の施行後の模様の取材にと、本誌記者は飛び回っています。