日経コンストラクション2月24日号は資格の価値を“定点観測”

様々な土木の資格の中から,今後はどの資格を取得すべきか――。日経コンストラクションでは土木の資格に対する評価をこれまで定期的に調査し,「今後,社員に取得してほしい資格」や「取得して役立った資格」などをランキングとして掲載してきました。

 日経コンストラクション2月24日号の特集「資格が示す技術力」でも資格をめぐるニーズの変化をアンケート調査したところ,例えば建設会社では企業の規模を問わず,「取得してほしい資格」の1位は一級土木施工管理技士。ただし,大手の場合は「取得するのが当たり前」と考える企業が多く,実際は「技術士・建設部門」の取得を最も求めているようです。

 その技術士・建設部門も,2001年の調査と比べるとニーズに変化が見られます。「鋼構造およびコンクリート」や「施工計画,施工設備および積算」は今回の調査でも1位と2位でそれぞれ変わりませんが,今回は「道路」の順位が上昇。さらに,総合技術監理部門の2科目が新たにランキングに加わりました。

 総合技術監理部門を要件にしたCM(コンストラクション・マネジメント)業務などがこれから増えるのを見越した,建設会社の戦略の表れといえそうです。「今後,どんな科目の技術士を増やしたいかは,企業の戦略を反映する」と,ある専門工事会社の幹部は話しています。

 大手や中堅の建設会社で「取得してほしい資格」の3位はコンクリート診断士。以前に比べて評価が高まってきました。これも,維持管理の仕事がこれから増えるうえ,同診断士の有資格者を発注者から求められるようになってきたことが背景にあります。

 変化がより著しいのが,建設コンサルタントです。それまで建設産業ではあまり必要とされていなかった技術士の「衛生工学部門(廃棄物管理)」や「情報部門」,「電気電子部門」など,建設部門以外の技術士を求める企業が目立ちます。

 特に大手の建設コンサルタント会社では「調査や設計といった従来型の業務は減少の一途」と考え,新規事業への進出を目指して新しい部門の技術士を求めています。例えばITS(高度道路交通システム)関連の業務のほか,多くの省庁でデータベースの整備などが増えるとにらみ,電気電子部門や情報部門の技術士に関心が高まっています。

 新規事業へ進出するにしても従来型の業務を強化するにしても,職種や規模などに関係なく,ほとんどの企業や技術者が「資格は技術力の証し」ととらえています。

 入札制度が技術力重視へと変わることを受け,同号の事例研究「独自色を競う簡易型総合評価」では,価格以外の項目の評価方法に工夫を凝らす自治体などの実例を描きました。例えば栃木県は,説明能力の向上や談合防止の効果を期待して,手書きの施工計画書を応札者に求めています。

 簡易型も含め,総合評価落札方式の採用がますます増えることは間違いなさそうですが,技術提案の内容より価格面を重視する入札がまだ多くを占めています。結果,従来と同様の価格競争となり,同方式でも談合のうわさが絶えません。

 同号のニューズレターでは,談合の疑いがもたれている防衛施設庁の土木工事を取り上げました。東京地検の捜索を受けた建設会社からは「官製談合は1社だけではなくせない」と,談合根絶の難しさに悩む声も聞かれます。

 鋼橋談合事件を機に始めた2005年7月8日号からの緊急連載「談合はなくなるか」でも,発注機関の天下りの問題をはじめ,官の関与や官民の不透明な癒着が続く限り,談合はなくならないとする声が少なくありません。

 「官から民へ」の流れとは逆に,土木の談合問題は「民から官へ」と論点が移りつつあるようです。続く3月10日号の特集では,官民格差の実態や発注者に対する建設会社の反論などを踏まえ,官と民との関係のあり方を考えます。引き続き,ご愛読ください。