PR

日経コンストラクション1月13日号は公共事業や建設産業の将来像を徹底予測

2005年12月24日,政府は2006年度予算案を閣議決定しました。国全体の公共事業関係費は7兆2015億円と2005年度当初予算に比べて4.4%減。このうち,国土交通省の予算案は同4.9%の減少と,公共投資の削減は収まりそうにありません。

このまま公共投資の削減が続けば,日本の社会資本はどうなるのか――。日経コンストラクション1月13日号の特集「荒廃する日本の社会資本」では,財政難によって各地に現れ始めた「荒廃」の実態を踏まえ,公共事業や建設産業の将来像を描きました。

例えば2020年の建設投資。(財)建設経済研究所は,ピークだった1992年の約84兆円が2020年には40兆円を切る可能性もあると指摘。土木工事の大半が占める政府建設投資は,2005年度から最大で20%減少すると推計しています。

GDP(国内総生産)に占める日本の公共事業費の割合が諸外国に比べて高い点が批判されています。そこで,「一般政府総固定資本形成」(政府が購入した構築物や機械設備などの総額を表す数字)と呼ぶ指標を用いて国際比較すると,同指標がGDPに占める割合は米国が2%台,フランスが3%台で推移しています。

2000年以前の日本では4~6%台と高い水準が続いていましたが,公共投資の減少が続けばこれが2010年には2.4~2.9%。2020年には1.9~2.6%にまで下がり,米国やフランスの値を下回るかもしれません。

さらに2005年10月,国土交通省は公共投資がいまのペースで減り続けた場合,2020年ごろには構造物を新設するための投資余力がゼロになり,その後は社会資本の更新や維持管理にも手が回り切らないとする予測を発表しました。

経済産業省が2005年12月に公表した域内総生産(GRP)の推移を見ると, 2000年から2030年にかけてGRPが増加するのは東京や仙台,名古屋,大阪,福岡といった大都市圏が中心。少子高齢化が進むなかで,地域の活力を維持することの困難さを示しています。

これまでと同じ手法で事業を続けていては,行き詰まるのは間違いありません。「荒廃」の危機を回避することは不可能ではなく,高齢者が増えるなど社会情勢が変化するからこそ,取り組むべき事業はあります。

資金調達の方法を工夫したり住民などに施工や管理を任せたり,さらには基準の見直しやソフト面の対処で防災や構造物の機能を高めるなど,建設投資が減少する時代を先取りして,新たな発想で社会資本を整備する取り組みが求められています。

例えば行政コストの削減が大きな命題になり,民間の力を借りるケースが増えてくるでしょう。すでに,他の自治体に先駆けて財政再建に乗り出した北九州市は,施設の管理や運営を民間などに委託する指定管理者制度をフル活用し,経費の削減に成功しています。

事業の見直しによって活力を維持し続ける自治体と淘汰される自治体とに分かれそうです。建設会社や建設コンサルタントなどの民間企業にとっても状況は同じです。

日経コンストラクションが2020年の建設産業就業者数や建設会社数を試算したところ,建設会社数は26万9000社と2004年3月末時点の半数以下に,就業者数は426万人にまで減少するという結果になりました。

次号の1月27日号では,財政難や社会情勢の変化がもたらす新たな社会資本整備に着目し,先行する各地の実例を通して「荒廃」を招かないための手法を描きます。1月13日号と併せてお読みいただければ,土木や公共事業がこれから講じるべき方策が見えてくるはずです。