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日経コンストラクション12月23日号も国内や海外の事故を詳報  

2005年の1年間で,日経コンストラクションが報じた事故の数は自然災害も含めて約60件。主な事故を通して,この1年間を振り返ってみましょう。  

まずは1月。中部国際空港の空港島の対岸に位置する埋め立て地で,人工海浜の砂の陥没が見つかりました。2001年に兵庫県明石市の人工海浜で生じた死亡事故の場合と異なり,原因は砂の水締め不足による沈下。当初は陥没場所を直しても再び陥没するといった具合で,海浜の開放を延期しています。  

1月28日には,静岡県富士市内のビルの解体工事に伴って起きた死傷事故をめぐって,静岡地方裁判所は工事を担当した木内建設など3社の社員3人に対して,業務上過失致死傷の罪で実刑判決を言い渡しました。3被告はともに即日控訴しています。  

ビルの解体中に外壁が県道に落下した事故で,信号待ちをしていた車に乗っていた2人を含む合計4人が死亡しました。市街地での解体工事に伴う事故は2004年も起こっており,維持・更新の時代を迎えるにあたって安全な解体方法の確立が急がれています。  

5月には,長野県で落石による死傷事故が相次ぎました。同県中川村にある県道のわきの法面から7日,直径約40cmの大きさの石が落下して県道を通行していたワゴン車の運転席付近を直撃。車を運転していた男性が死亡しました。  

この事故が起きた翌日の8日にも,同県阿南町の県道で道路わきの法面から石が落下。直径約40cmの石が,通行中だった軽自動車の後部の窓に当たり,乗っていた女性と子供の2人が軽傷を負いました。  

死傷事故を受けて,長野県の15建設事務所が合計2522カ所を一斉点検したところ,対策を必要とする個所数は636カ所に達しました。  

第三者が被災する事故を機に緊急調査したケースは,長野県だけではありません。4月9日に鹿児島市内の地下壕で中学生4人が死亡した事故を受け,国土交通省などが「特殊地下壕」の緊急調査を自治体に依頼しました。その結果,「陥没や落盤などの危険またはその可能性がある」と新たに認定した地下壕は558カ所に上っています。  

危険な場所に第三者が入り込んで被災した事故としては5月16日,兵庫県三木市にあるため池の改修工事の現場で,工事用の排水路に男児が転落。転落した男児を助けようとして排水路に落ちた別の男児が死亡しました。  

事故が起きたのは,2007年度までに4カ所のため池を改修する工事。子どもが転落した排水路は素掘りした水路で,事故当時の水深は1.2mでした。施工中は柵を設けて施工場所に立ち入れないようにしていましたが,工事を休止した後でいったん柵を取り外していました。  

6月9日に起こった◆JR只見線上の橋桁落下事故は,死傷者が出なかったとはいえ,もう少しで大惨事につながりかねない事故。福島県金山町の只見川に架かる上井草橋を解体中に鋼製の橋桁が両岸の支承から外れ,右岸側が1mほど落下しました。  

2005年も豪雨や台風が各地に災害をもたらしました。9月7日には台風14号の接近に伴う豪雨によって,山口県の山陽自動車道の◆盛り土法面が崩落。「締め固まったはず」と考えられていた盛り土から約1万3800m3の土砂が流出し,法面下の民家が埋もれて3人が遺体で見つかりました。  

一方,海外では5月13日,シンガポールで起こった◆開削トンネルの崩壊事故の原因が明らかになりました。地下鉄工事現場で2004年4月,トンネルの開削部を含む約110m四方が崩壊し,作業員4人が死亡した事故です。  

7月22日には,タイ東北部とラオス中部の国境を結ぶ「第2メコン国際橋」の建設現場で,主橋を架設中の長さ175mのガーダーがバランスを崩し,2カ所で折れ曲がる形で先端側が川に崩落。作業中の日本人3人を含む8人が川に転落するなどして死亡しました。  

橋は全長2050mで,主橋は長さ1600mの19径間連続PC(プレストレスト・コンクリート)箱桁橋。三井住友建設のJVが施工を担当しており,事故当時は基礎と橋脚の工事を終え,桁のプレキャストセグメントをガーダーで架設する工事を進めていたところでした。  

11月2日にはオーストラリアで,NATM工法で掘削していたトンネルの真上の地面が深さ25m,10m四方にわたって◆陥没してアパートなどが崩れました。  

2005年を振り返ると,このように土に関連した事故が多く,上述した事故以外にもトンネルの陥没や盛り土の崩壊が頻発しました。それらの中から,十分な防止策を採っていたはずなのに生じた事故を取り上げ,12月23日号に特集記事として掲載しました。  

切り羽から480mも離れた後方で地山が崩落したり,トンネルの貫通式を終えた後に吹き付けコンクリートが落下するなど,特集では工事の難所を越えた後にも潜む事故の危険をケーススタディーしています。「身近に潜む予期せぬ地質」と題し,それぞれの事故の原因やメカニズムを通して悩ましい土質への対処法を描きました。  

さらに,同号では海外の事故も併せてお伝えしています。「海外トピックス」では,11月7日にスペインの高架橋で架設桁や移動式型枠などが崩落,6人が死亡した事故を取り上げました。崩落する瞬間を貴重な連続写真でとらえています。  

12月4日に台湾の高雄市で起こった陥没事故も同号のニューズレターで速報しました。前田建設工業のJVが設計・施工一括で受注したシールドトンネル工事で,上下線のトンネル同士を結ぶ連絡トンネルの下にポンプ室を掘削していときに大量の水や土砂がポンプ室内に噴出。陥没の規模は直径50m,深さ10mにわたっています。  

これまで述べた事故のさらに詳しい情報は,2006年1月末に発行予定の縮刷版CD-ROM2005にも収録しています。12月23日号だけでなく,今後も日経コンストラクションをご愛読いただき,事故やトラブルの防止にお役立てください。