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日経コンストラクション11月25日号は技術者不足に悩む発注者の実態と支援策を解説

 マンションなどの耐震設計を偽造した事件は建設産業が抱える様々な問題を内包しており,土木や公共事業にとっても無縁ではなさそうです。例えば,計算書の検査体制。土木でも設計ミスを発注者が見抜けず,会計検査で指摘されるケースは後を絶ちません。

 日経コンストラクション11月25日号のニューズレターで取り上げた2004年度の会計検査報告を見ても,岡山県が発注した長さ70mのPC(プレストレスト・コンクリート)橋に設計ミスがあり,橋脚の耐震性能が基準を満たさないと指摘されています。

 さらに,耐震設計を偽造した姉歯(あねは)建築設計事務所の担当者から聞かれる「コストダウン」という言葉も,昨今の公共事業にとって無視できないものです。

 公共投資の削減などを受けて安値受注が横行しており,構造物の品質に与える影響が懸念されています。行き過ぎた価格競争を抑え,技術力を重視した調達へと転換するための体制づくりが急がれています。

 2005年4月に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品質確保法)」はその核となりそうですが,市町村では土木技術者が1人もいないところが珍しくなく,法が求める検査や監督を十分に実施できないのが実情です。

 「住民対応に追われて監督業務に割く時間が減っている」,「事務系の職員が土木工事を担当する場合があり,不安を覚える」といった声も聞かれます。

 このように技術者不足に悩む発注者の支援策が大きな課題となっていることを受け,日経コンストラクション11月25日号の特集「発注者支援いよいよ本番」では,活発になる発注者支援の“市場”や将来を様々な実例を基に描きました。

 先行する中部地方整備局では2005年8月までに県の外郭団体など6団体を支援機関に認定したほか,「発注者支援業務技術者認定制度」と呼ぶ制度を設けて合計206人の技術者に認定証を交付。公的な認定を与えて市町村などが委託しやすい体制を整え始めました。

 今後,公務員の制度改革が進めば自治体では今まで以上に技術系の職員が不足することが考えられます。発注者の支援業務が拡大するのは間違いなく,建設コンサルタントなどの民間企業やNPO(非営利組織)が認定の対象になる可能性は小さくありません。

 発注者支援の一環として,CM(コンストラクション・マネジメント)や技術顧問制度の採用も進みそうです。技術顧問制度とは,自治体が建設コンサルタント会社と一定期間の業務契約を交わし,必要に応じてコンサルタントの技術者に相談できる制度のこと。

 埼玉県飯能市は技術顧問制度を先行して取り入れており,プロポーザルの評価基準の作成や橋の点検要領の検討などに活用して効果を上げています。

 拡大する支援業務を担うために「自治体など行政の出身者を採用したい」といった声が民間企業から出ており,雇用の面でも大きな影響を与えそうです。

 発注者支援に限らず,行政と民間との協働は公共事業にとってますます欠かせなくなるでしょう。同号の「公共事業の明日を読む」で取り上げた大阪府の歩道リフレッシュ事業も,これから増えそうな取り組みです。

 歩道橋に企業の案内表示を掲示する代わりに橋の塗り替えなどの補修費用を企業が負担する事業で,PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の一環として全国に先駆けて試行しています。

 公共事業を取り巻く環境が厳しいからこそ,新しい仕事や市場が生まれる可能性は高く,日経コンストラクションではそれらの情報を今後もいち早くお伝えしていきます。