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日経コンストラクション11月11日号は技能喪失の実態と対処法をケーススタディー

 団塊の世代が大量に退職する「2007年問題」に関心が高まるなか,建設産業でより深刻なのが技能労働者の不足です。ベテラン技能者が退職していくうえ,若手の確保は難しく,しかも離職率が高いことが大きな課題となっています。

 総務省の労働力調査によると,2005年8月時点で建設産業に従事する50歳代の労働者数は155万人。建設産業全体の28%を占めています。

 一方,20歳代の若手はわずか80万人。若手が少ない一因に「処遇の悪さ」を挙げる声は多く,例えば国土交通省などが定める技能者の労務単価は下がり続け,50職種の平均額はこの5年間で14.1%減少しました。

 新たに建設産業に就業する人の約半数を高校の卒業者が占めていますが,その離職率は年々増えています。2000年3月に高校を卒業して建設産業に就業した人のうち,55.4%が3年以内に離職しており,全産業の平均を約5ポイント上回っています。

 ベテラン技能者が大量に退職した後は,「もはや外国人労働者に頼るしかない」といった声さえ聞かれます。

 日経コンストラクションでは8月12日号の特集「土木技術者が足りない!」に続き,深刻な問題である技能者不足の実態と対処法を「技能伝承待ったなし」と題し,11月11日号の特集で取り上げました。

 技能系社員の高齢化に危機感を抱き,例えば木部建設(本社,東京都)は若手技術者を中心とした社員にトンネル工事の削孔や吹き付けといった主要な作業の大半を任せ,ベテラン技能者のノウハウを身に付けてもらおうと試みています。

 「技術と技能を分業でこなすのではなく,社員が技術と技能を併せ持つ一人二役をこなす時代が近づいているのではないか」と同社は考えているからです。

 オリエンタル建設では,20歳代から30歳代前半までの若手技術者が下請け会社の作業員に交じってPC鋼材の設置や緊張,コンクリート打設などを体験。さらに若手技術者に工事の作業マニュアルを整備するよう促しています。

 日本道路は30歳代前半までの若手技術者10人を選抜し,経験が30年以上の「鬼軍曹」が指導役となって舗装工事で使う重機の操作などの技能伝承に努めています。ほかにも,技能者の育成費用を単独では負担しづらいことから,元請け会社と下請け会社とが一緒に研修している会社も目立ちます。

 若手の育成や技能伝承の効果は徐々に表れてきたようですが,冒頭で述べたように建設産業を希望する若い人材は多くありません。処遇の面を見直すだけでなく,建設産業や公共事業のイメージアップや広報活動に注力することも「待ったなし」と言えるでしょう。

 土木広報の最近の例として,同号の「公共事業の明日を読む」で首都高速道路株式会社(旧首都高速道路公団)が中央環状新宿線の現場で催したイベントの様子を取り上げました。地下30mのトンネル現場で作業着のファッションショーなどを開催して合計700人が見学に訪れるなど,多くの人の注目を集めています。

 建設産業の核となるのは人であり,日経コンストラクションは今後も「人と技術」を柱とした誌面づくりを心がけていきます。技能の伝承に焦点を当てた11月11日号をはじめ,日経コンストラクションをこれからもぜひ,ご愛読ください。