
武藤聖一の欧州「最新建築」撮り歩記
目次
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ザハの遺作、開業したばかりの鉄道駅へ
第213回 Napoli-Afragola Railway Station(ナポリ・アフラゴーラ駅) イタリア・ナポリ
ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏の遺作として世界の各地で建設中のプロジェクトは、まだ二十数カ所も残っているといわれる。その一つだったナポリ・アフラゴーラ鉄道駅は第1フェーズがほぼ完了し、昨年初夏に開業した。この駅を訪ねてみた。
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「オープンさ」を重視した市庁舎へ
第212回 Westland City Hall(ウエストランド市庁舎) オランダ・ウエストランド市
オランダの首都機能が存在するハーグ市や、フェルメールの故郷として知られるデルフト市の西側に隣接して、人口約10万人のウエストランド市がある。2004年に5つの自治体が合併して生まれた地方色豊かな市だ。この地に17年秋、新たな市庁舎が完成した。
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改修を終えた“名物美術館”へ
第211回 Skissernas Museum(スキッサーナス美術館) スウェーデン・ルンド市
スウェーデンの南部、スコーネ地方の最大都市マルメ市。その北東に隣接して、人口10万人ほどのルンド市がある。ルンド市には欧州最古の大学の1つと言われるルンド総合大学があり、住民の約半数を大学関係者や学生が占める典型的な学園都市だ。鉄道の中央駅と大学キャンパスの間の旧市街地に、大学に付属するスキッサーナ…
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屋外用家具の展覧会へ
第210回 Cabinetmakers'Autumn Exhibition 2017(家具職人の秋季展2017) デンマーク・コペンハーゲン市
コペンハーゲン市内にあるデンマークデザイン博物館(Designmuseum Danmark)でこの9月8日から11月5日まで、「Cabinetmakers'Autumn Exhibition 2017」(家具職人の秋季展2017)が開催された。1981年にスタートして以来、毎年秋に開催されてきた展覧…
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先進のインターナショナルスクールへ
第209回 Copenhagen International School(コペンハーゲン・インターナショナルスクール) デンマーク・コペンハーゲン市
デンマークの首都コペンハーゲンは港町であり、二十数年前から運河の両岸で再開発が進んできた。その一貫として、北港(Nordhavn)のふ頭に面して、コペンハーゲン・インターナショナルスクール(Copenhagen International School、以下CIS)の新キャンパスが完成。同校は今年の…
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未来感を感じる新設住宅団地へ
第208回 Vallastaden 2017(ヴァラスタン 2017) スウェーデン・リンシェーピング市
スウェーデン中部のリンシェーピング(Linkoping)市は、人口約15万人の工業都市。この地に新たに生まれつつある住宅エリアで9月、大規模なまちびらきイベント「ヴァラスタン 2017」(Vallastaden 2017)が開かれた。会期は9月2日から24日まで。この新興住宅エリアは市中心部の南側に…
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拡張を果たした空の玄関口へ
第207回 Oslo Airport Expansion(オスロ空港拡張部) ノルウェー・オスロ市
ノルウェーのオスロ空港、正式名称ガーデモエン空港(Gardermoen Airport)は、1998年に開港した国際空港。首都の玄関口として機能するこの空港で、新ターミナル建設を中心とする一大拡張プロジェクトが完了した。
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EU本拠に生まれた“大きなランタン”へ
第206回 EU Council Headquarters(EU理事会本部) ベルギー・ブリュッセル市
英国の脱退表明などで揺れる欧州連合(EU)。その中枢がベルギーの首都ブリュッセルにあることは、ご存知のとおりだ。EU理事会が本拠にする施設の再開発に伴って生まれたばかりの建物を見に行ってみた。
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70年代のビルを再生した高級ホテルへ
第205回 At Six(アット・シックス) スウェーデン・ストックホルム市
スウェーデンの首都ストックホルム。その中心部でこの3月にオープンしたホテル、アット・シックス(At Six)は、北欧圏内を中心にデザイン性の高いホテルやリゾート施設を展開するNordic Hotels & Resorts(ノルディックホテル・アンド・リゾート)系列のハイグレードなホテルだ。
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デザインと機能を強化したオランダの要衝駅へ
第204回 Utrecht Central Station & City Hall(ユトレヒト中央駅・シティーホール) オランダ・ユトレヒト市
オランダの都市ユトレヒトは、首都アムステルダムから約30km南方にあり、人口約30万人が暮らす。地理的には同国のほぼ中央に位置するとともに、人口規模では国内第4位の大都市だ。歴史的な大聖堂や運河などの風景で知られる街並みは、長崎県佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」のモデルとなったことでも知…
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住宅街に出現した褐色の教会
第203回 Suvela Chapel(スヴェラ・チャペル) フィンランド・エスポー市
フィンランドの首都ヘルシンキに隣接するエスポー(Espoo)市は、人口約27万人を抱える国内第二の都市。大学町として顔も持つ同市で2016年9月、市内のスヴェラ地区にユニークな教会がオープンし、市民の話題を集めている。同国の建築設計事務所であるオーペアー(OOPEAA)が設計したスヴェラ・チャペル(…
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ザハ・ハディドの“遺作”へ
第202回 Port House of Antwerp(ポート・ハウス・オブ・アントワープ) ベルギー・アントワープ市
ベルギー・アントワープにザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏の遺作ともいえる庁舎ビルが2016年の秋に完成した。アントワープ市港湾局の本部になるビルだ。09年に着工した建物は、完成までに約7年を要した。
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北欧最大の家具の祭典へ
第201回 Stockholm Furniture & Light Fair 2017(ストックホルム家具・照明見本市2017)
いわゆる北欧デザインと出会える最大のイベントと言われている「ストックホルム家具・照明見本市」に足を運んだ。ストックホルム市内にある見本市会場で、2月6日から11日まで開かれていた。見本市は盛況で、その展示ブースの数は、個人参加を含めて700を超えた。
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波打つ屋根の大コンサートホールへ
第200回 Elbphilharmonie・Hamburg(エルプフィルハーモニー・ハンブルク) ドイツ・ハンブルク市
第200回を迎えた連載では、ドイツ・ハンブルクのエルベ川のほとりに完成したコンサートホール、エルプフィルハーモニー・ハンブルクを取り上げる。今回は記事の最後に筆者の武藤氏が選んだ「もう1度見てほしい施設10選」を紹介する。
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スウェーデンの名門音大の新校舎へ
第199回 KMH-ROYAL COLLEGE OF MUSIC IN STOCKHOLM(スウェーデン王立ストックホルム音楽大学) スウェーデン・ストックホルム市
スウェーデンの音楽教育の最高学府である王立ストックホルム音楽大学(KMH)を訪れた。2016年夏に新しい校舎が竣工し、新たな学年がスタートする9月から授業で使われている。17年1月27日から29日にかけては、グランドオープンを記念した祭典も盛大に開催された。
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文化と運動を融合する施設へ
第198回 Ku.Be(House of Culture & Movement) デンマーク・フレデリックスベア
2017年の連載「欧州『最新建築』撮り歩記」で紹介する最初の施設は、デンマーク・コペンハーゲンに隣接する都市であるフレデリックスベアに立つKu.Be(クベ)だ。16年秋に竣工した建物で、デンマークの建築設計事務所ADEPTとオランダの建築設計事務所MVRDVが共同で設計した。
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コンテナを水に浮かべた学生住宅へ
第197回 URBAN RIGGER(アーバン・リガー) デンマーク・コペンハーゲン市
船舶輸送用のコンテナを利用した住宅、オフィス、美術館などは、世界中の多くの都市や地域で散見される。だが、今回訪れたデンマーク・コペンハーゲンに建設されたURBAN RIGGERは異色だ。コペンハーゲン港に浮かんでいるからだ。
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"UFOが浮かぶ"円形オフィスへ
第196回 Barco Campus(バルコ・キャンパス)ベルギー・コルトレイク市
バルコ社はプロジェクション技術を駆使した映像ディスプレーを開発・設計しているグローバル企業だ。本社はベルギー、フラマン地方のコルトレイク市にある。今回は、2016年夏に完成した同社の基幹施設「バルコ・キャンパス」を訪問した。
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中世の街並みになじむ銅被覆のホールへ
第195回 Genbloux Town Hall(ガンブルー・タウン・ホール)ベルギー・ガンブルー市
ベルギー南部のワロン地方に位置する人口2万5000人ほどの都市、ガンブルー市に竣工したタウン・ホールを紹介する。中世の街並みが残る地域で人気もある地域に、周辺と調和した銅板をまとった公共施設が完成した。
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イケア1号店を改修した歴史の館へ
第194回 IKEA Museum(イケア・ミュージアム)スウェーデン・エルムフルト市
家具販売大手のIKEA(イケア)の博物館「イケア・ミュージアム」が、スウェーデン・エルムフルト市にオープンした。人口1万人に足らずの同市は、イケア創業の地。森林資源が豊富なスウェーデン南部のスモーランド地方に位置する。