「なぜ活版印刷が衰退したのかといえば、効率という点で、写植に勝てなかったからですよ」。三代目の高岡昌生さんが嘉端工房に入社したころは、既に写植の時代だった。大量に刷るということで競ったら、大会社にはかなわない。ならば効率とは逆のところで勝負しよう――。それが今も昔も変わらない同社の姿勢だ。例えば、大印刷会社は受けない100枚のレターヘッドの印刷で、しかも組版がきちんとしたクオリティの高いもの。そういうものを欲しがる人を、相手にしようと考えたのである。「オフセットやマック(Macintosh)でできるようなものは、うちは手を出さないことにしたんです。実際、デザインは二の次、という人からの注文は、バブル以降ぱったりとなくなりました」。

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